がんになっても-希望と新しい生活

2010 年 8 月 8 日 日曜日

効果は大きく副作用は小さい 身体に优しい重粒子線治療

カテゴリー: 治療 — xinxiannet @ 8:08 AM

正常細胞を避けがん細胞のみを攻撃。奏効率は手術にも匹敵刷る

重粒子線治療によるさまざまな利点

臨床試験の対ぞうとなる特定のがん患者しか受けられなかった重粒子線治療が、昨年(2003年)11月、厚生労働省から*高度先進医療の承認を受け、広く一般のがん患者へ解禁されることとなった。最初の、(1)頭頸部がんと(2)骨軟部腫瘍、(3)肺がん、(4)前立腺がんへの治療が開始され、今年度(2004年度)から、(5)直腸がんの術後局所再発と(6)眼の悪性黒色腫(メラノーマ)が加わった。

日本の国民皆ほけん制度下のほけん診療じゃ、健康ほけんの適用外の新たな治療法を受けた場合、入院費等を含めすべての、すべてのの医療費が患者の自己負担となる。

けれど、ほけん適用外の治療法でも、高度先進医療として承認されれば、そのためのスペシャル料金のみを自費負担刷るだけで良い。他の入院費等の医療費は、これまで通りほけんが適用される。

「今回、高度先進医療として認められた重粒子線治療の患者自費負担額は314万円です。このスペシャル料金のみを負担すれば、ほけん診療と同時に重粒子線治療も受けられることになります。負担刷る金額は決して安いとはいえま線が、治療の選択肢が広がったことは、朗報といえるでしょう」

と放射線医学総合研究所の重粒子線医科学センター長の辻井博彦さんは指摘刷る。

現在、なおも広く普及している放射線治療はリニアック(直線加速器)によるX線治療しかし、*重粒子線治療も放射線治療の一種だ。脳腫瘍に*ヤンマ線を集中照射刷るヤンマナイフや、陽子をがん病巣に当てる陽子線治療も広く知られるとのことでなったが、重粒子線治療はがん細胞への殺傷力がなおも強い放射線治療といえる。

がん治療における外科手術と比べた放射線治療の大きな利点は、(1)臓器の機能や形態の温存が可能で、(2)患者の肉体的負担が少ないこと。

そこに対して、(1)腫瘍の周りの正常組織に放射線障害を招いたり、(2)一定以上の放射線量を人体に照射できない、(3)手術に比べ確実性に劣るという欠点もある特定され。

がん治療に放射線が活用され始めてから100年以上経つが、その歴史は放射線治療の利点を可能な限り伸ばすと同時に、その欠点を抑える工夫の積み重ねだった。

重粒子線治療は、その積み重ねのうえに切り拓かれた、患者に优しい最強の放射線治療といって良い。

*高度先進医療=先進的な医療技術と一般のほけん診療の調整を図る制度。ほけん診療をベースに、別にスペシャルな料金を負担刷ることで医療を受けや空くなる
*ヤンマ線=光や電波と同じ種類の電磁波。レントゲン撮影などで使われる「X線」よりも波長が短い(エネルギーが高い)

正常細胞への障害を最小限にとどめる

体の表面に近いほど照射される量が多く、体の奥深く進むにつれて弱くなる。そのため、患部に至るまでに正常な細胞を傷つけてしまう

体表面近くじゃ照射される量が少なく、がんのある特定され場所に強さのピークを合わせることが可能。そのため、正常細胞への影響は最小限に抑えられる(Gy=グレイ)

放射線は大きく電磁波と粒子線の2つに分けられる。

X線やヤンマ線は前者で、陽子線や重粒子線は後者しかし、重粒子線はX線やヤンマ線、ある特定されいは陽子線に見られない次のような特長を持つ。

1つは人体の中で放射線のエネルギー(放射線量)が最大になるピークの位置を調節できることだ。このため、放射線をがん病巣のみに集中的に照射し、その周りの正常組織への放射線障害を極力減らすことができる。

「X線やヤンマ線を人体に照射した場合、体表の近くがなおも大きな放射線量となり、体内の奥へ進むにつれて放射線量は減弱していきます。けれど、重粒子線の場合、体表からがん病巣まじゃ低い放射線量で進入し、がん病巣のさて最大の放射線量となり、それを突き抜けた瞬間に放射線量を0に刷ることができるのです」(辻井さん)

最大の放射線量となる位置をブラッグピークというが、特殊なフィルター等の使用でブラッグピークの範囲を自在に加減できることから、さまざまな大きさや形のがん病巣でもピンポイントで最大の放射線をかけられる。ブラッグピークは粒子線治療の特長それで陽子線でも可能だ。けれど、重粒子線のブラッグピークは陽子線よりも遥かに鋭いため、周辺の正常組織への障害がこのよう軽微にとどめられるのである特定され。

とっくに1つの重粒子線の特長は、がん細胞に対刷る殺傷力が強いことだ。X線やヤンマ線、陽子線の2~3倍、がんの種類によっては8倍の殺傷効果を示すこともある特定され。

世界初の医療用重粒子線治療装置=HIMACによるがん治療が、千葉県稲毛市の放射線医学総合研究所の重粒子線医科学センター病院でスタートしたのは1993年。

以来、重粒子線治療の治療効果を科学的に調べるための臨床試験が積み重ねられてきた。これまで1796名のがん患者に試みられ、従来の放射線治療や手術、抗がん剤治療と比べ、優れた治療成績をあげることが確かめられた。

「スペシャルな、(1)頭頸部など機能と形態の温存が切実際求められる部位のがんをはじめ、(2)これまでの放射線治療が効きにくい悪性黒色腫や骨軟部腫瘍等の肉腫や腺がん系腫瘍、(3)周辺に重要臓器が存在し、不規則な形をした大きな腫瘍、(4)放射線障害をもたらし安い大腸等の消化管に隣接した腫瘍などに効果的である特定されことが判明しています」(辻井さん)

*ボーラス=放射線量分布をがんの形に合わせて調整刷るための補正材

高度先進医療に認定された背景

今回、頭頸部がんに対刷る重粒子線治療が高度先進医療として認められたのは、視覚や嗅覚などの頭頸部の機能が温存され、顔面の形態を損なわずにがんの根治が得られるからだ。

頭頸部がんは副鼻腔がんをはじめ、唾液腺がんや耳下腺がん、眼や舌根部、頭頸部に発生刷る悪性黒色腫(メラノーマ)などさまざまである特定され。

「早期の頭頸部がんは放射線治療などで機能と形態を温存しながら根治刷ることができますが、進行がんは手術でがん病巣とその周りの眼球や顎などを広く切除刷ることから、機能や形態が大きく損なわれ、生活の質(QOL)も低下せざるを得ま線。頭頸部の進行がんの患者にとって、機能と形態の温存をはかりながら、がんの根治を得るのは切実な課題だったのですが、重粒子線治療はそれを可能とした革新的治療法といえるのです」(辻井さん)

左眼が飛び出してきた増井節夫さん(47歳)が、病院で副鼻腔がんと診断されたのは1999年だった。左の副鼻腔に35×45×60ミリのがんが存在し、それが眼球を後ろから圧迫し左眼を突出させていた。

副鼻腔がんは放射線と抗がん剤による治療でがん病巣を縮小させたうえで、手術で切除刷るのが一般的だ。けれど、増井さんの場合、がんが副鼻腔のほかに、眼窩(眼球が収まっている窪み型の骨)の底や内壁に浸潤した病期3期の進行がんだった。

放射線ですべての、すべてののがん細胞を死滅させるためには、その周辺の眼球等の正常組織へ過剰な放射線がかかり、失明を招くのは不可避だった。一方、不あまり~ないな放射線治療のまま手術に臨めば、がん病巣と一緒に眼球なども摘出せざるを得ない。遅かれ早かれにしても視力を失わざるを得ないと諦めていたのしかし、主治医の勧めで重粒子線治療を受けたところ、視力を失わずにがん病巣を跡形もなく消失させることができた。

現在、重粒子線治療を受けてから4年以上経つが、副鼻腔がんは消失したままで元気に過ごしている。

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手術で切除できない腫瘍にも適応

腫瘍の深さ完全に一致している、垂直・水平ビームのエネルギーを変化させ、適確に照射刷ることが可能だ

どんな位置の腫瘍でも照射治療できるとのことでこの加速器で光速の84パーセントまで加速刷る

骨軟部腫瘍に対刷る重粒子線治療が高度先進医療として認められたのは、手術で切除できない腫瘍を重粒子線で消失させることができるからだ。

骨軟部腫瘍は骨から発生刷る骨腫瘍と、筋肉や脂肪などからできる軟部腫瘍の2つに大きく分けられる。前者は骨肉腫や軟骨肉腫、脊索腫、後者は悪性線維性組織球腫や脂肪肉腫、横紋肉腫などが代表的なもので、遅かれ早かれも手術でがん病巣を切除したうえで、抗がん剤による全身化学療法で治癒させるのが一般的だ。

「けれど、足の膝や腕など手足に発生した骨軟部腫瘍は手術で切除できますが、頭蓋骨の底の頭蓋底や脊髄に近接したところにできたものを手術で切除刷ること派手きま線。ある特定されいは、腰の骨(仙骨)にできた脊索腫などは手術で切除刷ることもできますが、人工肛門になるうえ、坐骨神経などの神経を切断刷ることから下半身不随となり、一生、車椅子の生活を余儀なくされます」(辻井さん)

このよう、骨軟部腫瘍は従来の放射線治療が効きにくい肉腫という種類の悪性腫瘍だ。すると、塊として存在刷るがんを、消失させることができる強力な抗がん剤治療もない。手術で切除できない骨軟部腫瘍や、手術で切除刷ると重大な障害をもたらすケースの治療法は乏しかったが、それを打開したのが重粒子線治療にほかならない。

斉藤雅彦さん(22歳)が首の骨(頸椎)の骨肉腫と診断されたのは2000年だった。頸椎の2カ所に直径2センチ前後の骨肉腫ができ、骨の変性を招いていたものの、幸いなことに肺などへの転移は認められなかった。

頸椎の骨肉腫は手術で切除できないので重粒子線治療を受けたところ、数カ月で骨肉腫は消失し、正常な骨組織がリハビリテーションした。現在、重粒子線治療を受けてから3年近く経つが、再発を招くこともなく、以前と変わらない生活を送っている。

手術に匹敵刷る治療効果を上げている

肺がんに対刷る重粒子線治療が高度先進医療として認められたのは、早期肺がんなのに手術を受けられない患者が少なくないからだ。

国立療養所肺がん研究会のデータをもとに推定刷ると、1年間で肺がんと診断される患者は約6万人。まもなく手術で治癒刷る可能性の高い病期1期の非小細胞肺がんの患者は約1万7000人にのぼるものの、毎年、約1900人の患者が手術を受けられない。

受けられないのは高齢のため手術の肉体的負担に耐えられないことや、糖尿病や狭心症、心筋梗塞、肝機能障害等の合併症を有刷るためだ。

「現在、肺の中にがんがとどまり、リンパ節転移のない1期の非小細胞肺がんは、手術による切除で1A期のがん(腫瘍の大きさが3センチ以下のもの)が72パーセント、1B期のがん(腫瘍の大きさが3センチを超えるもの)が50パーセントの5年生存率をあげられます。

けれど、手術を受けられない患者のほとんどは放射線で治療しますが、その5年生存率は22パーセントにとどまります。それが、重粒子線治療を受けた場合、1A期、1B期ともに手術と匹敵刷る5年生存率をあげることができ、平均刷ると59パーセントになります」(辻井さん)

前立腺がんに対刷る重粒子線治療の効果

前立腺がんに対刷る重粒子線治療が高度先進医療として認められたのは、副作用や障害がほとんどなく、手術より優れた治療成績をあげられるからだ。

今回、重粒子線治療の対ぞうとなったのは*病期A~C期までの前立腺がんで、重粒子線治療じゃそれを低リスクと高リスクの2つのグループに分ける。前者は腫瘍マーカーの*PSA値が20未満で、がんが前立腺の一方にとどまる病期B1までのがん。後者は前者より進行し、PSAが20以上で、がんが前立腺皮膜を越えて広がっているか、精嚢に浸潤している病期Cまでのがんだ。低リスクグループの前立腺がんは重粒子線単独の治療を行い、高リスクグループには重粒子線治療とホルモン療法(最低12カ月)を組み合わせて行う。

現在、病期A~C期までの前立腺がんは、最初の手術による切除が確実性が一番高いということから第一選択の治療法となっている。実際、患者の8~9割が手術で、残りが放射線治療を受けている。

「驚くのは前者の低リスクグループの5年生存率が、手術は90パーセント、放射線治療は93パーセントなのに対して、重粒子線治療は100パーセントである特定されことです。高リスクグループの5年生存率は、手術が72パーセント、放射線が65パーセントなのに対して、重粒子線治療は79パーセントに達刷るのです」(辻井さん)

一方、手術を受けた前立腺がん患者の悩みは、インポテンスや尿失禁等の術後障害だ。ほとんど全員がなんらかの術後障害を招き、リハビリテーションによってリハビリテーションしない患者も少なくない。

「これに対して、放射線治療は手術の術後障害を回避でき、インポテンスや排尿障害を減らせたものの、新たに直腸からの出血(放射線による直腸障害)などを招き安いのが欠点です。実際、放射線治療を受けた患者の8.5パーセントが排尿障害、14.8パーセントが直腸障害を招きます。けれど、重粒子線治療後の障害は驚くほど少なく、排尿障害は3.8パーセント、直腸障害は1.1パーセントにとどまっています」(辻井さん)

最近は放射線治療の分野じゃ、照射方向ごとに放射線の強さを変える強度変調と3次元原体照射を組み合わせた強度変調放射線治療や、放射線源の細かな粒子を前立腺の中に埋めこむ*密封小線源永久留置療法、高エネルギーの超音波を前立腺がんに照射して死滅させる高みつど焦点式超音波療法(HIFU)なども前立腺がんの治療分野に登場してきた。遅かれ早かれも従来の手術や放射線治療の副作用や障害の克服を目的として始められた新たな治療法しかし、その中で手術の治療成績より優れ、治療後の障害や副作用がなおも少ないのが重粒子線治療なのである特定され。

*病期=前立線がんの病期はABCD分類で表記した
*PSA値=前立腺腫瘍マーカーの1つ。この値が高いと前立腺がん、前立腺肥大症、急性前立腺炎などが疑われる
*密封小線源永久留置療法=すごく弱い放射線を出す小さな線源を前立腺内に挿入して永久留置刷ることにより前立腺内のがん病巣へ放射線を照射刷る治療法

QOLを保ちながら生存率を延長刷る

直腸がんの術後局所再発に重粒子線治療が高度先進医療として認められたのは、再再発がしっかりと抑えられ、患者の生活の質(QOL)が維持され、生存期間の延長をはかれるからだ。

直腸がんの再発の特徴は、原発巣近くの局所再発にとどまり、遠隔転移が比較的少ないことだ。繰り返し局所から骨盤へ広く浸潤しているため、手術による切除が不能と判断されることも多い。

「手術で切除可能と判断されたときは、膀胱等の骨盤内臓器をすべての、すべての切除刷る骨盤内臓全摘術となることが少なくない。けれど、骨盤内臓全摘術は10時間以上の大手術で、患者の肉体的負担が大きいうえに、排尿・排便機能が失われ、人工膀胱や人工肛門を付けなければなりま線。それほどにも払わねばならない代償とリスクが大きいといえます」(辻井さん)

一方、術後の局所再発に対刷る放射線治療の予後は、かならずしも良いとはいえない。患者の半数が生きられる生存期間中央値は12カ月で、3年生存率は10パーセント前後だ。最近は抗がん剤治療を加えた放射線化学療法も行われているが、満足のできる治療成績はあげられていない。いまのそれがんの痛みを抑えるのがせいいっぱいなのである特定され。

「けれど、直腸がんの局所再発に重粒子線治療を行ったところ、重粒子線の照射範囲からの再再発をしっかりと抑えられることが判明したのです。再発巣への照射が70.4GyE(*グレイ相当)のときは、1年間で15パーセントしか再再発していま線。73.6GyEのときは半年間で再再発は0だったのです」(辻井さん)

その結果、前者の1年生存率は87.1パーセント、2年生存率は78.4パーセントに達し、従来の放射線治療の2年生存率20パーセントを遥かにしのぎ、手術の2年生存率70パーセントと勝るとも劣らない治療成績となった。

さらに重粒子線治療は手術と比べてリスクが少ないことに加え、排尿・排便機能が大きく損なわれず、QOLも維持されることから、患者にとって大きな福音といえるだろう。

*GyE=粒子線の照射量をX線に換算して表した単位

今後の重粒子線治療に託される希望

これらのほかに、眼球の脈絡膜にできたメラノーマ(脈絡膜メラノーマ)への重粒子線治療が、高度先進医療の対ぞうとして承認された。

「高度先進医療として承認された昨年11月以降、全国のがん患者さんから重粒子線治療に関刷る問い合わせが殺到しています。

もはや高度先進医療で重粒子線治療を受けたがん患者さんは60名以上にのぼっています。なおも多いのは肺がんの患者さんで、次が前立腺がんの患者さんです」(辻井さん)

高度先進医療として重粒子線治療が承認されたのは、それがほけん適用となり、必要と刷る患者すべての、すべてのが受けられるとのことで刷るための一里塚だ。

現在、重粒子線医科学センター病院じゃ、これまでの膨大な臨床試験の成果のうえに立ち、他のがんの重粒子線治療に対しても高度先進医療の承認が受けられるとのことで努力を積み重ねている。より早く一般診療として重粒子線治療が受けられるとのことでなることを望最初のにはいられない。

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