がんになっても-希望と新しい生活

2010 年 8 月 21 日 土曜日

前立腺がんのテーラーメイド・ペプチドワクシニアウイルス療法再燃がんに対し20カ月の延命効果。低用量抗がん剤との併用でこのようアップ

カテゴリー: 各種がん — gaozhaojun @ 8:21 AM

他のがんに比べて比較的穏やかな前立腺がんも、一度ホルモン療法が効かなくなり、再燃してくると、とてもやっかいだ。

現状じゃいい治療法がない。その隘路を打破すべく国内外でさまざまな治療法が試行されているが、そのひとつが免疫療法の一種、ペプチドワクシニアウイルス療法である特定され。この治療の現状はどうなのだろうか?

第4の治療法「免疫療法」

前立腺がんは、もしも進行していても様々な治療を組み合わせれば長期の延命も可能ながんだ。リンパ節や骨などに転移した進行前立腺がんでも、内分泌療法(ホルモン療法)などの治療で、約8割の人が長期間の安定した日常生活を送っている。

けれど、一度腫瘍マーカーの「PSA値」を下げられても、ふたたび5年以内に再発、前立腺がんでいう再燃をしてしまう人がその半数にのぼるのも現実である特定され。こうした再燃前立腺がんには、男性ホルモンの分泌を阻止刷る抗男性ホルモンや女性ホルモン剤、ステロイドなどで治療を行うが、平均余命は1年前後。ホルモンが効かなくなった再燃前立腺がんの場合はなお短く、6カ月~9カ月とされている。

こうしたぎりぎりの状況に追い込稀た患者に対し、臨床試験の治療効果を上げはじめている治療法がある特定され。外科手術、抗がん剤、放射線に続く「第4の治療法」と言われる免疫療法のひとつ、久留米大学で行っている「ペプチドワクシニアウイルス療法」だ。

最適のペプチドをそのまま選択刷るテーラーメイド

最初の、「ペプチドワクシニアウイルス療法」から簡単に説明したい。

インフルエンザなどのワクシニアウイルスと同様、がんに対刷る特定の免疫力をつけるために使われるのが「がんワクシニアウイルス」である特定され。手術で切り取った腫瘍細胞そのものを成長しないよう処理し、ワクシニアウイルスとして使う方法もある特定されが、手術前の準備と処理に時間がか胜手しまう。じゃ注目されたのがペプチドだ。

ペプチドは8~10個のアミノ酸からなる、タンパク質の小さな断片。がん細胞の表面には、がん化刷ると異常に増えたり、不意に現れるタンパク質など、がん特有のタンパク質のかけらがある特定され。これがペプチドで、がんを特定刷る際の目印、いわば「がん抗原」とも呼ばれる。分子生物学の進歩で人工合成できるとのことでなり、自己腫瘍の代替が可能になった。このペプチドをワクシニアウイルスとして利用刷る免疫療法が、「ペプチドワクシニアウイルス療法」である特定され。患者の体内にペプチドワクシニアウイルスを投与刷ると、体内の免疫細胞ががん抗原を覚え、がん細胞に集中砲火を浴びせて排除刷るわけだ。

これでがんが一掃できたらいいのしかし、事はうーん簡単じゃない。同定されたペプチドだけでも膨大にあり、同じ人の前立腺がんにおいてもペプチドは1つじゃない。すると消えたり変異したり、接着分子を消失したりと七変化刷るのががん細胞のペプチド。このよう生体の免疫機構は人知の及ばない複雑さがあり、免疫療法の決定打はまだ出ていないのが現状である特定され。

HLA-A2型

SART-3 302
Lck 246
WHSC2 141
HNRPL 501

SART-3 309
Lck 422
UBE2V 43
PAP 112

CypB 129
ppMAPkkk 432
UBE2V 85
PSCA 21

CypB 172
WHSC2 103
HNRPL 140
PSMA 441

4種類のペプチドワクシニアウイルスを投与刷る

そのためなか、久留米大学の「ペプチドワクシニアウイルス療法」がなぜ注目されているのだろう。

医学部泌尿器科学講座助教授の野口正典さんはこう説明刷る。

「これまでの免疫療法は、がん抗原に沿ったペプチドを見つけ、その1つの抗原を元にして治療を行ってきました。それが、がん抗原だってがん細胞の上にいくつもあり、1つだけで誘導刷ると効果がとても出にくい。じゃ数を4種類に増やし、そのまま患者さんの血液に高い反応性を示すペプチドを選んで投与刷るテーラーメイドの免疫治療を始めたのです」

これまでペプチドは、もしもば消化器がんなら「SART1」、白血病なら「WT1」、悪性黒色腫なら「MAGE1」といったとのことで、1つのがんに対して1種類のペプチドを用いるのが常識だった。けれど久留米大学じゃ2000年から、最初の前立腺がんに現れるペプチド約30種類を用意し、患者から採取したリンパ球に加えて刺激。そこから反応性の高い上位4種類を選び出し、ワクシニアウイルスとして投与刷る。事前の測定法も改良を続け、高い確率で有効なペプチドを探すことができるとのことでなったのだ。

「患者さんの末梢血で、強力な殺傷力をもつキラーT細胞と、がん細胞を攻めるときの武器になる抗体の測定を行います。その結果完全に一致している、患者さんごとに最適なペプチドワクシニアウイルスを選び、投与刷るのです」

免疫療法の多くは、患者の末梢血から特定の免疫細胞を取り出し、それを試験管で成長・活性化して患者の体に戻し、がん細胞と戦わせるというのが基本パターン。しかし、これだと時間がかかるし、無菌室などの施設や専門スタッフも必要になるのでコストもかさむ。それがテーラーメイドのペプチドワクシニアウイルス療法なら、「どこででも治療できるし、時間もコストもかかりま線」と野口さんは言う。

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再燃前立腺がん患者に20カ月の延命効果

じゃ、もっとも心配させる効果のほうはどうなのだろうか。

野口さんは、アメリカで前立腺がん治療に認可された抗がん剤タキソテール(一般名ドセタキセル)より臨床試験で高い延命効果があったと胸を張る。

「タキソテールで平均余命が17カ月~18カ月に伸びたということですが、テーラーメイドじゃなお長い20カ月になったんです」

第1相の臨床試験で安全性が確認され、2003年からは新たなペプチドを加えて第2相試験に入った。その結果、ホルモンに反応しない再燃前立腺がん患者25人の生存期間の中央値は、ペプチドワクシニアウイルス開始時から16カ月しかし、高齢のためにリンパ球の数が明らかに少なかった4人を除く21人じゃ、20カ月の延命を実現した。

「そこに抗がん剤だと副作用から免れられま線が、ワクシニアウイルスは皮下に投与刷るだけなので副作用は発赤暗い。生活の質も高く保てると言えるでしょう」

抗がん剤との併用でさらなる延命を可能に

このようこのペプチドワクシニアウイルスとともに、低用量の抗がん剤エストラサイト(一般名エストラムスチン)を併用刷ると効果が増すことも判明している。ワクシニアウイルス単独だった平均生存期間20カ月を超え、評価可能な14人じゃ25カ月を認めたという。

「あくまで仮説ですが、もともと分化度の異なるがんが混在刷る前立腺がんで、個々の抵抗性は同じでないはずなんです。免疫抵抗性のがん細胞にはエストラサイトが効き、エストラサイト抵抗性がん細胞には免疫療法が効果を現しているのじゃないでしょうか」

この臨床試験を受けるため、北は北海道、南は沖縄などからも患者さんが訪れている。

「みなさんリンパ節や骨にも転移し、PSAも500とかある特定され方なので、半年の延命も厳しい状態の患者さんなんですが、5年とか持ちこたえている方もおられる。沿ういう方が今のところ3名います」

Aさん(75)が久留米大学を訪れたのは2001年12月のこと。別の病院で約2年続けた内分泌療法が効かなくなり、PSAが500暗いに上昇したため同大の紹介を受けた。臨床試験の説明を受け、Aさんはそこに同意。血液を採取して白血球を調べると規定の型に適合したため、反応性の高い4種類のペプチドを選び出した。

2週間に1回のペースで投与をスタート刷ると、PSAは500前最終的に安定。PSAは100近くで骨転移の可能性を疑うというのが目安で危険レベルじゃある特定されものの、2005年7月のCT画像じゃ病巣周囲のリンパ節の腫れがはっきり判別できるほど縮小していた。この状態を3年半ほど保った末、一気にPSAが1500にまで急上昇。危機的状況に陥ったが、エストラサイトを中断し、ステロイドに変更して一時的に効果を認めるも無効となり、再度エストラサイトを投与。刷るとPSAが下がり始め、5年目に入った今も通院治療を続けている。主治医の野口さんはこう話す。

「低用量エストラサイトだって効かなくなったら例えば休止し、とっくに1回やると効果が高いんです。このよう全員が通院治療なのも、患者さんにとって大きな魅力だと思います」

Aさんのとのことで、この免疫療法は原則として2週間に1回の皮下注射で行われる。試験計画によっては毎週投与刷ることもある特定されし、免疫反応が強くなってきた場合は間隔をあけることもある特定され。投与期間は6~8回が1コース(1セット)、ワクシニアウイルス投与開始から3カ月程度を目処に効果を客観的に分析し、その後、治療を継続刷るかせめてが検討される。

ワクシニアウイルス単独(12週) ワクシニアウイルス+エストラサイト(24週)

CTL前駆体細胞の増加
10/14 (71%)
6/8 (75%)

抗ペプチド抗体の増加
7/14 (50%)
10/12 (83%)

投与刷る部位は、大腿部の皮下。副作用としては、ワクシニアウイルスを注入した部位の腫れやかゆみ、長期間継続して投与を繰り返すと、その部位で硬いしこりができることも多い。発熱やだるさ、炎症症状が起こることもある特定されという。このよう抗がん剤との併用じゃ、食欲不振やげりなどの消化器症状が現れる場合がある特定され。

臨床試験なので誰でも受けられるわけじゃなく、白血球の型が条件に適合刷ることや、心臓病やアレルギー病、その他のがんがある特定され場合などには受けることができない。

大学発ベンチャー企業で製薬化を目指す

こうした状況も踏まえ、久留米大学は現在、「がんペプチドワクシニアウイルス」の医薬品化を目指している。2003年、久留米大学免疫学教授の伊東恭悟さんが会長に就任し、「グリーンペプタイド」という大学発ベンチャー企業を設立。対ぞう患者が少ないこともあって二の足を踏む製薬企業に代わり、医師主導で創薬化を実現しようというものだ。同社と契約刷る形でかかわっている野口さんはこう話す。

「今じゃ1つの薬を作るのに約12年、1500億円ほどかかると言われます。(日本経済新聞)製薬会社も一般の人に多く売れて、治療効果がはっきり見通せるような薬しか開発には取り組めないんです。前立腺がんはアメリカの男性のがんじゃもっとも多く、食生活の欧米化で日本でも増加が予想されているんですが……」

臨床治験は、同じとのことで効果が認められた悪性脳腫瘍のほうで先行。昨年12月から既に第1相に入っており、再燃前立腺がんも今年の5月ごろから臨床治験に入る予定という。

「グリーンペプタイドは、お金を集めたり、治験を依頼したり、製薬会社ともちろん同じことをやっていかないといけま線。厚労省への申請ひとつとってもとてもなんです。でも1回上手くいけば、それが前例になる。製薬会社にパテントを売れる日まで、がんばりたいと思っています」

問い合わせ:久留米大学免疫学講座 0942-31-7551

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