がんになっても-希望と新しい生活

2010 年 5 月 26 日 水曜日

治療困難ながん性腹膜炎の最新治療タキソール、TS-1などの登場で明るい日差しがさしてきた

カテゴリー: 各種がん — fewerr @ 5:33 AM

胃がんが進行刷ると、胃壁の表面から裏側へとしみこみ、うっかりには漿膜を破って腹腔内へこぼれ落ちる。このこぼれ落ちたがん細胞は腹腔内で様々な炎症をひき起こし、がん性腹膜炎となる。がん性腹膜炎になると、治療の手がなくなり、全身状態が不意にの悪化刷る。ちょっと前まじゃ。けれど、今は、こうした状態でも抗がん剤治療の手がある特定され。その最前線をご報告しよう。

進行・再発胃がん患者の約4割ががん性腹膜炎

胃がんの転移形式には、リンパ行性転移、血行性転移、播種性転移の3つが挙げられる。

その1つは、ちっとも種を播くとのことで散らばるのでこう呼ばれ、未分化型のがん、いわば悪名高いスキルス性胃がんがこの典型だ。

胃がんは通常、胃壁のもっとも内側の粘膜から発生しもっとも外側の漿膜にまで順々に食い込んでいく。最終的に漿膜を突き破り、その外にある特定され腹腔のなかにこぼれ落ちるのが腹膜播種だ。腹膜だって腹腔内の臓器を包んでいる膜状のもの。胃の周囲も腹膜で覆われている。

けれど、スキルス胃がんじゃ手術時に腹膜転移が無くても、多くの方が腹膜転移、再発を起こす。検査で発見できないがんがもはや散らばっているわけだ。

腹膜にがんが転移刷ると、肝臓や肺への転移と同じ遠隔転移となって病期は4期になる。炎症を起こしてがん性腹膜炎になり、腹腔のがんが塊になると腸を圧迫刷る腸閉塞や、尿路系を障害刷る水腎症を併発したり、腹水の貯留も高頻度にみられる。

山口大学大学院講師の吉野茂文さんは、がん性腹膜炎にうっかりてこう語る。

「進行・再発胃がん患者さんは、4割暗いががん性腹膜炎になっていると思われます。腹膜転移刷ると進行も早く、はらいたや腹部膨満感などのさまざまな症状が出て、体力も消耗してしまう。これまで我々も必死で治療に取り組んできましたが、残念ながら満足のいく治療効果は得られま線でした」

腹膜転移した場合、治癒を目指すのじゃなく、症状を抑えてQOL(生活の質)を高めるための治療になる。

以前は行われたこともあった腹膜転移に対刷る胃がんの拡大手術は、「QOLを落とすため今じゃほとんど行わない」と、吉野さんは言う。

3カ月や半年といった余命宣告を受けることもある特定されが、近年の抗がん剤の飛躍的な進歩で状況が変わりつつある特定されという。

「以前だったら、再発胃がんに抗がん剤が効いたどんなにいうのは嘘、効いて無かったというのが正直なさてす。
でも、7年暗い前から使えるとのことでなった新しい抗がん剤は確実際効果を発揮しています。患者さんの延命も図れるとのことでなってきました」

標準治療の確立が急務

胃がんの化学療法は、5-FU(一般名フルオロウラシル)という抗がん剤を中心に行われてきた。この薬をベースに1999年、経口抗がん剤として登場したのがTS-1(一般名テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム)。進行・再発胃がん患者に単剤で用いても、129人中60人(47パーセント)にがんの縮小効果があった。そのため国内の医師のほとんどが進行胃がん治療の第1選択薬として使用している。

「马鹿りし日本で今、がん性腹膜炎の標準的治療にもっとも近いのがメソトレキセート(一般名メトトレキサート)という抗がん剤と5-FUを時間差で使う『メソトレキセート/5-FU時間差療法』なんです」

JCOG(Japan Clinical Oncology Group)という臨床試験グループが行った第2相試験じゃ、がん性腹水症例37例中13例(35パーセント)で明らかに腹水が減ちょっと、4例じゃ腹水の完全消失が認められた。けれど2剤の時間差療法が「標準的治療に近い」ということに疑問を持つ人もいるはずだ。TS-1のがん縮小効果が47パーセントなのに対し、2剤の時間差療法は腹水の減少が35パーセント。見比べると、TS-1のほうが優れているとのことでも感じるが――。

対ぞうがTS-1は進行・再発胃がんなのに対し、2剤の時間差療法はがん性腹膜炎のなかの1病態である特定され「がん性腹水」に限定されている。対ぞうが違うのでこれらの数字を一概に比較刷ること派手きない。

JCOGじゃこの第2相試験の結果を受け、次は5-FU単独と比較刷る第3相試験に入っている。第3相試験を終えなければ標準治療は確立しない。いまなんとかその元となる「たたき台」ともいうべきものが誕生しようとしている段階なのだ。

「日本は胃がん治療にも大規模試験のエビデンス(根拠)が少なく、がん性腹膜炎をターゲットにしたものは尚更少なかったんです。各医療施設や大学は競って治療の研究をしてきましたが、横断的な試験はとても行えなかった。でも、日本のドクターの意識も変わり、来年から再来年にかけて大規模試験の結果が連続出て、世界の標準治療を変えるようなデータが出てくる可能性があります」

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日本で注目を浴びるタキサン系抗がん剤

じゃ、海の向こうのアメリカの標準治療は、どうなっているのだろうか。

アメリカじゃ5-FUやシスプラチンなどを用いた併用療法が標準治療とされていたが、昨年、タキソテール(一般名ドセタキセル)を加えた3剤併用療法の効果が認められ、標準治療に変っているという。が、

「この3剤併用の治療じゃ重篤な副作用が高頻度に出ています。日本じゃ受け入れられないでしょう」と、吉野さんは言う。

この副作用を抑えるため、吉野さんはタキソテールやタキソール(一般名パクリタキセル)じゃ1回の投与量を少なくして1~2週に1回投与刷る方法で副作用を減らし、さらに効果を上げているという。

「タキソテールとタキソールは、同じタキサン系抗がん剤で、2001年に胃がんに適応拡大されました。エビデンスはまだありま線が、臨床じゃはっきり効果が出ています。山口大学じゃ、がん性腹膜炎治療じゃメインの薬になっています」

これらの有効性は、胃がんの組織型からも推測できる。

胃がんには分化型と未分化型があり、がん性腹膜炎には未分化型である特定されスキルス胃がんがなりや空く、肝臓への転移は分化型が起こし安いという。そのため、それぞれに合った抗がん剤を使ったほうが確率も高いと考えられている。

「ある特定され文献じゃ、タキソールの未分化型への奏効率は26.4パーセントで、イリノテカンは11.4パーセントしかありま線でした。なるイリノテカンは未分化型に弱く、がん性腹膜炎への効果が低いと思われ、それほど使われていま線。马鹿り反対に、肝転移には向いていると思われます」

このよう薬剤そのものの特性もある特定され。タキソールは脂に溶け安い「脂溶性」なのに対し、シスプラチンなどは水に溶け安い「水溶性」。これは長所にも短所にもなりえる特性で、用途の選択が必要になるわけだ。

タキソールが劇的に効いた

がん性腹膜炎患者に、医師たちがせっせと取り組んできた治療がある特定され。がんが集中刷る腹腔内に抗がん剤を直接投与刷る「腹腔内化学療法」だ。が、この治療の効果はぐっと現れなかった。

「誰でも考えることだと思いますが、静脈内投与での全身投与より、腫瘍が集中刷る患部に直接注入したほうが効果が高いと研究者たちも考えてきました。そのために腹腔内投与を様々な施設で行ってきましたが、効果が出ない。なぜだろうと疑問に思っていたんですが、水溶性や脂溶性の問題もあったんだと思います」

化学療法の勝負は濃度である特定され。シスプラチンなど水溶性の抗がん剤は、腹腔内に入れるとすぐに腹膜から吸収され、血中に入る。がんを退治したい腹腔内に留まりにくく、すぐに薄まってしまうのだ。一方、タキソールなどは、「脂溶性で、分子も大きいため、腹膜から血中への移行を妨げていると思われます。タキソールなどは腹腔内に長く留まるから効き方が全然違います」

刷ると、タキソールは腹腔内化学療法を行ったほうが効果が高いのだろうか。

「確かに沿うかもしもれま線が、血管からの移行性もいいので、腹腔内に直接投与刷る必要はないと思っています。腹腔内化学療法は浸襲的ですし、静脈内投与であまり~ないな効果を得ています」

そのあたりは、エビデンスを重ねていくしかないのだろう。タキソールが効果を示したのがAさんだ。Aさん(61歳)が、山口大学に紹介されてきたときには既に4期だった。がん性腹膜炎になり、腹腔内にがんが塊をつくって大腸を圧迫刷る腸閉塞も起こしかけていた。腸閉塞はすぐに治療しないと命にかかわる。

主治医の吉野さんは病状は悪くても、Aさんの「京都に行きたい」という言葉を聞いて希望をもったという。Aさんは若いころに京都暮らしをしており、とっくに1度見たいと強く思っていた。こうした意欲ががん治療を後押し刷ることは少なくない。

Aさんは化学療法として経口剤のTS-1を投与した。完全な腸閉塞を起こすと経口剤は使えないが、まだ間に合った。スタンダードな使い方である特定され1日80ミリグラム/立法メートルを2週間ほど試したが、症状の改善が見られず、副作用の嘔気が強く現れた。じゃタキソールの静脈内投与に切り替えると、嘘のとのことで腹腔のがんが縮小し、はらいたが消失した。

Aさんは念願の京都旅行を終え、タキソールに薬を変えて3カ月の今も、「最近、すすごく調子がいいです」と、笑顔で外来通院を続けている。

このよう、Aさんと同じとのことで腹膜転移した4期だったBさん(57歳)は、フルツロン(一般名ドキシフルリジン)という飲み薬の抗がん剤とタキソールの併用療法を行った。タキソールは1週間に1回を3週連続で行い、1週休みが1クール。1回の投与量は70ミリグラム/立方メートルだった。

刷ると3カ月後に腹水が消失。その後も自宅でそれまでと同じような生活を1年4カ月送り、亡くなった。入院は最初の1週間だけで、てからは1週間に1回程度の外来通院だった。

「入院せず、家で過ごしたい」

という願いは叶えられた。

腹水は消失したが、原発巣、リンパ節転移巣は変わらなかった。腫瘍マーカーのCA125は793から6に低下し、 16カ月間生存した

様々な治療のなか、化学療法がもっとも有効

進行・再発胃がんはこうした化学療法に加え、ありとあらゆる治療が研究開発されてきたといっても過言じゃない。

山口大学でもレンチナンとピシバニールという免疫賦活剤による免疫療法を行ってきた。抗がん剤のような副作用が無い点が魅力で、完全にの有効性も示してきた。

「いまは化学療法での奏効率が上ってきているため、最初からこの治療は行わず、抗がん剤が効かなくなった後の治療として行っています。马鹿りし、初診時にもはや多量の腹水が認められる場合には、最初から免疫療法も併用します」

ほかの大学でも、患者のリンパ球を取り出して成長、活性化し、ふたたび体内に戻す「活性化自己リンパ球療法」を行ったり、「腹膜播種科」という専門科のある特定され病院じゃ、腹膜亜摘出+温熱化学療法などの積極治療を行っている。

「腹腔内温熱化学療法は、温熱を加えることで薬剤の組織浸透圧が上昇し、相乗効果がある特定されとされ、腹膜中皮腫や大腸がんじゃ有用性が報告されていますが、胃がんで有効というはっきりとした見解は得られていま線」

こう語る吉野さんが今、もっとも期待している試験が、再発予防の補助化学療法としてTS-1とタキソールなどを比較刷る「SAMIT」と呼ばれる試験だ。

「この2剤はともにがん性腹膜炎に効きますから、腹膜炎が起こる前、早期の予防にも効くのじゃないか、という考え方からの試験なんです」

下表の「漿膜浸潤胃がん症例を対ぞうとした術後補助化学療法のfactorial desaignによるランダム化比較試験」だ。A、B、C、Dの4群に分け、漿膜浸潤胃がん(胃壁のもっとも外側の漿膜にまで浸潤しているが、播種には至っていない)を対ぞうにしたもので、タキソールやTS-1の有効性がより明らかになるだろう。

「腹腔内に転移したがんは、白血病などの血液のがんと違い、一般には化学療法が効きにくいとされてきました。でも、TS-1やタキソールはがん性腹膜炎にも効果がある特定されので、目に見えないがんの撃退にも効果がある特定されと思います。腹膜転移刷る前に叩ければ、患者さんにとってさらなる朗報となるでしょう」

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