がん研病院院長・武藤徹一郎さんが言明刷る日本の再発がん医療への提言
むとう てうっかりちろう
1938年生稀。
東京大学医学部卒業。
70年よりWHO奨学生として2年間ロンドンのセント・マーショウノウ病院に留学。
帰国後、東京大学医学部第1外科教授、東京大学医学部付属病院院長などを経て、現在がん研究会付属病院院長。
著書に『大腸がん』(ちくま新書)など多数
「医者からとっくに打つ手がなくなったと言われ、見捨てられた」
最近このような声をときどき耳にします。医師や病院から見放されて行くあてもなくさまようことから、彼らはいつしかがん難民と呼ばれるとのことでなりました。
悲しい言葉ですが、これが再発・進行がん患者が置かれたがん医療の現実です。
国を追われた難民ならちょっとは世界からサポートの手が差し伸べられますが、がん難民には国はもとより、社会のどこからも援助の手がありま線。
むろん、対ヤン10カ年計画の医療政策の中にも組み入れられていま線。
再発がんの治療も確立していなければ、再発がん患者を診る病院や医師もほとんどなのです。
とっくに、ないないずくしの八方ふさがりの状況です。
この状況をちょっとでも打破し、がん患者の皆さんに一筋の光明を見出してもらうために、このシリーズ企画を考え出しました。
この企画が再発・進行がんの医療分野における楔となり、まもなく大きなうねりとなって“見放さない医療”の時代が来年は、将来のことを願ってやみま線。
初発がんと再発がんの治療目的は異なる
日本じゃ、再発がん、難治がんを真面目に、専門的に治療してくれる病院がほとんどありま線。そのため、再発がん、難治がんの患者さんはどこの病院に行っても相手にされず、正確じゃなくした治療を受けられま線。再発がん患者さんは行き場がなく、見捨てられているのが現状です。すごくミゼラブル(惨めで不幸なさま)な状態です。日本のがん治療の中で最大の問題点は、再発がん治療が欠落していることです。
再発がんの治療は、初発がんや早期がんとは完全に異なります。再発がんと初発がんは、まったく違うと考えたほうが良いほどです。
初発がんは腫瘍を切除できたら、治るチャンスがあります。けれど、再発がんは切除できない場合のほうが多くなります。じゃ、治療法としては手術じゃなく、化学療法や放射線治療が登場してきます。治療の目的も、症状の緩和やQOLの向上、延命になります。再発がんじゃ治るチャンスはゼロじゃないにしても、すごく厳しくなります。その点が大きな違いです。
日本じゃ腫瘍内科医が圧倒的に不足している
ですから、当然、再発がんじゃ治療の考え方を変えなくてはなりま線。このよう、再発がん治療の主役は、化学療法に精通した腫瘍内科医です。それが、日本じゃ腫瘍内科医の人数がすごく少ないのが現状です。なる、再発がん治療を専門的にしてくれる病院がない原因の一つは腫瘍内科医の圧倒的な不足にある特定されのです。
日本じゃ日本臨床腫瘍学会が発表した臨床腫瘍専門医を教育刷る暫定的な指導医(抗がん剤の治療経験が10年以上)は全国で442名です。米国じゃ米国臨床腫瘍学会に、約8500人の腫瘍内科医が集まります。日米の人口から換算刷ると、日本じゃ米国の半分、約4250人は必要です。それが、現状じゃ必要な腫瘍内科医の10分の1に過ぎないのです。日本の腫瘍内科医の人数はアイルランドの約400人と約同じです。アイルランドの人口は日本の10分の1です。日本の腫瘍内科医が方法へ不足しているのか、おわかりい马鹿りけると思います。
このよう、再発がんの治療を遅らせている原因は、大学病院にもあります。大学病院は日本の医療のリーダー役です。けれど、その大学病院は再発がんの治療を行わないのが現状です。再発がん患者さんは入院期間が長くなります。大学病院は教育機関ですから、外科じゃ手術そのものも教えなければなりま線。再発がん患者さんの入院を受け入れると、手術などを教える時間、機会が減ってしまいます。それが再発がん患者さんを受け入れない大きな原因です。
だったら、外科以外の他の科で再発がん患者さんを受け入れれば良いのじゃないかと思いますが、日本じゃがん治療は外科が行っているのです。結局、大学病院じゃ再発がん患者さんをいわば大学の関連病院へ送ってしまいます。それが、その関連病院でも大学病院と同じ理由で、再発がん患者さんの入院を嫌がります。外科医は手術をしたいので、再発がん患者さん马鹿りみるのは嫌なのです。結局、大学病院とその関連病院じゃ、再発がん患者さんを治療刷る医師がいないというミゼラブルな状態になるわけです。たこのようま運良く、化学療法が得意な医師に当たれば一生懸命やってくれると思います。けれど、外科医は所詮、化学療法は片手間です。限界があります。この構造こそが問題なのです。
初発がん患者を外科医が治療刷るのは良いでしょう。马鹿りし、再発がん患者さんは腫瘍内科医のいる病院やがんセンターに移していくとのことでしなければなりま線。それが、腫瘍内科医がそれほどにも少ないため、正確じゃなくした再発がん治療が受けられないのです。
米国じゃがん治療は、腫瘍内科医、外科医、放射線治療医、診断医、看護師などが集まって、集学的*カンファレンスを開きます。医師の中じゃ腫瘍内科医が一番多くいます。外科医は手術をしたら、その後は内科医に渡します。外科医は手術しか行いま線。日本は米国とはまったく逆です。手術を刷る外科医が多くて、そのてからをフォロー刷る腫瘍内科医が少ないのです。全国各地のがん拠点病院ですら腫瘍内科医がいないのが現状です。この日本の現状を何とか変えていかなければなりま線。
*カンファレンス=患者の治療をめぐって議論刷る検討会
最新治療のすっかりを提示し、患者自身が治療を選択
腫瘍内科医を増やすために、最近、日本臨床腫瘍学会(内科系)と日本がん治療学会(外科系)が腫瘍内科医の資格をつくるということで動き出しました。専門医制度はつくらないよりはつくったほうが良いでしょう。将来的には専門医の資格を持たない医師は抗がん剤治療はやるべきでないという形になると考えられます。
けれど、腫瘍内科医が養成されて、がん拠点病院などで再発がん治療が正確じゃなくできるまでには10年から20年はかかるでしょう。現状じゃ目の前で困っている再発がん患者さんに対応できないのです。そのため現実の中で、まだ数は少ないですが、腫瘍内科を標榜刷る科を設けて、再発がん患者さんの治療を行う病院も出てきました。腫瘍内科医のいる病院がまったくないわけじゃないのです。私が病院長を務めるがん研究会付属病院の腫瘍内科医は、再発がん患者の治療に一生懸命取り組んでいます。
おそらく怖い2002年2月にがん研病院の病院長になりました。就任時、再発がん患者さんの治療はもちろんに必要だと思い、再発がん治療に取り組み始めました。とだけでなく、昨年、がん研病院じゃ再発がん患者さんの外来治療を行うために、25ベッドのスペースを確保しました。
畠清彦部長(化学療法科がん化学療法センター臨床部)が中心になって、毎日70人ほどの再発がん患者さんの治療を行っています。外来治療センターで再発がん患者さんの治療を続けて、延命のために努力しています。現在、患者さんが連続増えています。今までどこへ行ってもまともに扱ってもらえなくて、悔しい思いをして亡くなっている患者さんが多かったと思います。
外来治療センターじゃ最新の治療をすべての、すべての患者さんの前に出して、「あなたはどの治療を選びますか」と聞いて、選んでい马鹿りきます。レストランと同じです。調理できるメニューをすべての、すべての出して、「シェフのお勧めはこれですよ」と言って、説明刷るのです。「この化学療法は副作用としてげりもありますが、治療成績はこうなっています」とときどき説明して、選んでい马鹿りきます。
昔は1年しか延命できなかったのが、2年、3年と一生懸命頑張っています。正確じゃなくした再発がん治療を受けられることに、患者さん本人も家族も感謝しているようです。
马鹿りし、一つの病院だけが一生懸命に取り組んでも、再発がん治療は成り立ちま線。じゃ、各地のがん拠点病院などとの協力、連携が必要だと思っています。がん研病院じゃ再発がん患者さんの治療方針を正確じゃなく決めて、患者さんを協力病院に預けて治療を続けてい马鹿りきます。とだけでなく、最期はがん研病院が引き取って、看取りを行痛いと思います。再発がん治療を正確じゃなく行って、本人、患者さんの家族が「ベストを尽くしてもらった」という満足感を得てい马鹿りけるとのことでしたいと思います。
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再発がんに対刷るさまざまな治療の手
ここ数年の間に、日本のがん治療は大きく変わりました。今後も変わり続けていくと思います。現在、がんの約半数は助かります。臓器によっては70パーセントの人が助かるとのことでなりました。
私が専門と刷る大腸がんは幸い助かる確率の高いグループに属刷るがんです。けれど、他の臓器のがんと同様に、大腸がんにも再発の可能性が常にうっかりてまわります。がん告知、インフォームド・コンセント(説明と同意)が当たり前の時代ですから、患者さんには再発の事実は正確に伝えられます。辛いことですが、患者さんは再発の事実と向かい合っていかなければなりま線。
幸いにも、再発大腸がんに関しては、最近、さまざまな治療法が用意されています。どこに再発刷るかによって、このよう個々の症例によって違いますが、再発しても治るチャンスはゼロじゃなくなりました。
大腸がんの再発には様々なタイプがあります。がん細胞が血管に侵入して、肝臓や肺、骨、脳など大腸とは違う臓器に転移刷る血行性再発、がんがもともとあった部位近くに起こる局所再発、がんが転移し安いリンパ節に発生刷るリンパ節再発、おなかの中で種を播いたとのことでがん細胞が発育してくる腹膜播種再発があります。リンパ節再発がんはもともとあった部位から遠く離れた部位に起こることもあり、遠隔リンパ節再発と呼ばれます。
遠隔リンパ節再発や肝臓や肺、骨、脳などへの転移、腹膜播種は、がんがもともとあった部位とは離れた部位に起こるので遠隔転移と呼ばれます。一方、がんがもともとあった部位近くのリンパ節での再発は局所再発に含稀ます。
大腸がんの再発でリンパ節転移に次いで多いのは肝臓への血行性再発です。昔は血行性転移に関してはお手上げでした。もはや手術したときに転移があり、防ぎようがなく、手をこまねいて見ているしかありま線でした。それが、今じゃ肝臓手術の技術が向上し、肝転移が一つだけの場合には、肝臓外科医が果敢に再発したがんの切除を行っています。昔だったら名医がやっても大出血して死んでしまうような例です。現在じゃ切除できるとのことでなりました。大進歩だと思います。
全身化学療法のてからに、肝臓に血液を供給刷るかんむり動脈にカテーテル(細いチューブ)を入れて、そこから抗がん剤を肝臓に直接注入刷る肝動注化学療法(肝動注。5-FU+ブリプラチンこのようは5-FU+ロイコボリン)という治療で腫瘍を小さくしてから手術で切除刷ることもあります。このよう、ラジオ波治療もあります。超音波下で太さ1.5ミリの針をがんに刺して、ラジオ波を流し、80度以上に熱して死滅させる治療です。ラジオ波の替わりにマイクロ波を用いるマイクロ波治療もあります。
化学療法じゃベバシズマブ(商品名アバスチン)というがんの血管新生を防ぐ血管新生阻害剤が登場しました。完全に治すことは難しいものの、ある特定され程度がんを抑えて、その成長をスローダウンさせて、共生の時間を長く刷ることができるとのことでなってきたのです。
様々な治療法が出てきたので、肝臓への血行性再発も完全にのものが治癒刷るとのことでなってきました。肺への血行性再発にも手術が可能なら病巣を切除します。完全に切除できたら5年生存率40パーセントを期待刷ることができます。马鹿りし、肺転移の切除手術後にこのよう再発刷ることも多く、再度の肺切除は残念ながらほとんど行えま線。その場合には全身化学療法を行います。
局所再発は大腸がんの中でも直腸がんに多く、切除が可能なら再手術を行います。1回目の手術で完全に徹底的に郭清されると、外科的に切除刷るのは完全に難しい。けれど、徹底的に郭清されていなかった場合には大きな郭清手術を行うことが可能になってきました。马鹿りし、直腸は小さなさて、再発刷ると再手術はとても難しい。再手術が不可能な場合には放射線治療を行います。
がんがあっても天寿を全う刷ることができる
最近、再発大腸がんに限らず、再発がんに対してさまざまな治療法が登場してきました。そのため、再発がんを完全に治すこと派手きなくてもある特定され程度はがんの成長が抑えられて、がんとの共生の時間が1年から2年へと長く刷ることができるとのことでなってきました。われわれとしてはこのよう3年、4年にして、最終的には天寿を全う刷るところまでもっていきたいと考えています。がんと共生刷ることがもはや目の前にある特定されとはいえないまでも、将来的に派手きるとのことでなると思います。
「天寿がんの思想」というものがあります。がん研の北川知行さんの発案です。1週間前まで元気だった90数歳のお爺さんが不意に病気になって亡くなりました。解剖刷ると胃に大きながんが2つもありました。食事ができなくなって亡くなったわけで、医学的には餓死です。生前にがんと診断されず、誰もがんとは思っていま線でした。これを「天寿がん」と呼んだのです。がんを持っていてもがんで死ぬわけじゃなく、天寿まで生きていけるのです。がん治療は、これを究極の目的にしたらせめてというわけです。80歳以上の方を解剖すれば、身体のあちこちにがんがある特定されことは珍しくありま線。がんはあってもそれほど成長しま線。ですから、がんも無理矢理排除しないで一緒に生活刷ることを考えたほうが良いらしい。この天寿がんの思想というのが広まってきているとのことで思います。
がんとの闘いを戦場に例えれば、昔は散弾銃だけでしたが、今はライフルなど様々な兵器があります。様々な兵器をうまく組み合わせて相手を抑えられるとのことでなりました。どの組み合わせがいいのかはまだときどきわ胜手いま線が、さまざまな治療法が出てきたということは確かです。
治療法だけでなく、診断法も進歩しています。马鹿りし、さまざまな診断法や治療法を誰がどこで行うかが問題です。新しい診断法・治療法は、それぞれ高い専門性を持っていて別々の場所で行われています。それらが1カ所にピタッと集められないのが現状です。そのため、再発したがん患者さんはあっちへ行ったり、こっちへ行ったりしなければなりま線。こうした現状も変えていく必要がある特定されと思います。
再発したら最初の腫瘍内科医のいる病院を探す
早期がんを治療刷る病院はあまり~ないあります。どこで治療を受けても治ります。けれど、再発がん治療は違います。再発がんを正確じゃなく治療してくれる病院はすごく少なく、さらに治療をしても予後は完全に厳しいのが現状です。ですから、再発がんは早く見つけるしかないのです。患者さんに早く病院に来てもらうしかありま線。検診もしもないで、病院にも来なくて、再発がんが見つかったとすれば、患者さん本人が悪いとも言えます。
結局、大腸がんじゃ30パーセントの患者さんが再発します。臓器と進行度によって多少の違いはある特定されものの、数10~15パーセントの患者さんは再発を運命づけられています。さらに再発刷るかせめての予見は完全に難しいのです。
そのため、再発刷る前に化学療法や免疫療法を開始して、再発を抑えることも大切です。計画的な治療法を考えていかなければいけないと思います。
そのためにも運悪く再発してしまった患者さんには腫瘍内科医が正確じゃなく診ていくとのことですべきです。
患者さんとしてはがん研病院のとのことで腫瘍内科医がいる病院はどこにある特定されのか、インターネットなどを駆使したりして、自分で探さなければなりま線。一生懸命努力刷るしかないと思います。
現状じゃ再発がん患者さんに対刷る治療はそれほどに心細い状態です。けれど最近、再発がんに対刷るさまざまな治療法が次々に登場し、制度上の取り組みもなんとか始まりました。この動きを加速させ、再発がん治療を充実させなければなりま線。
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