胃がん検診
国内の胃がん患者数は第1位で,がんで亡くなる人の4分の1が胃がんによるものです。また,死亡者数は肺がんについで第2位です。
近年,国内における胃がんの発症率は減少傾向にあります。しかし世界的にみると,その発症率や死亡率は最も高い数値を示しています。
胃がんの5年生存率は50%~60%で,この数値は近年向上し続け,診断技術の進歩により,現在では以前よりも早期に発見することが可能になっています。
早期の胃がんは無症状の場合が多く,集団検診や人間ドックで約半数近くが発見されています。したがってがん発症率の高い40代以上は定期的に検診することが大切です。
また,早期胃がんに見られる症状としては腹痛が最も多く,胸やけ,膨満感など腹部の不快感,吐き気,嘔吐,げっぷ,吐血,下血などの症状が見られることがあります。
●超音波内視鏡検査
前述した通り,内視鏡検査では,小さな病変も発見することができますが,それはあくまで粘膜の表面であり,その病変がどこまで深く浸襲しているかはわかりません。
この超音波内視鏡検査では,内視鏡では見えない胃壁内への広がりを調べることができます。病巣がの粘膜上にとどまっている場合は,ポリペクトミー,粘膜切除術(EMR),粘膜下層剥離(はくり)術(ESD)と呼ばれる内視鏡手術が可能です。
しかし,筋層まで達していると診断された場合は,開腹手術により胃の切除とリンパ節の郭清が行われます。
●バリウム検査,内視鏡検査
内視鏡検査は胃がんの発見に最も有効とされています。ただ,集団検診では時間や手間の問題から通常はスクリーニング検査としてバリウムレントゲン検査が行われます。
この検査ではすでに示したように,異常が見られても胃がんだけでなく,胃潰瘍,胃がん,胃ポリープ,胃炎,などの場合もあり,内視鏡検査などでさらに詳しく調べる必要があります。
胃がんにはスキルス胃がんと呼ばれるタイプのがんもありますが,このタイプは粘膜上にはできないため,隆起部がなく,バリウム検査や内視鏡検査では発見できないことが多いやっかいながんです。
●手術・治療後の検査
内視鏡的粘膜切除は,患者への負担が少ない手術ですが,反面,腫瘍の取り残しの可能性もあります。したがって,この治療が行われた後は,内視鏡で取り残しからの再発がないか定期的に検査する必要があります。
進行胃がんで胃を切除した場合,腹膜転移や肝臓などへの血行性転移,リンパ節転移などが多く見られるため,これらの部位に転移していないか重点的に調べる必要があります。
再発が起こりやすい時期は手術後1年~3年と言われます。手術後3年までは3ヶ月ごとに腫瘍マーカーなどの血液検査,半年ごとに腹部超音波検査,1年ごとにCT検査と内視鏡検査を行うのが標準的な検査です。 さらに,再発の心配が少なくなる5年以降は定期的に人間ドックを受けることが望ましいと言われています。