がんの予防方法
●ストレスを解消し,睡眠不足を避ける。
ストレスは活性酸素を増加させ正常細胞を破壊します。さらに血流を阻害し,粘膜を傷め,有害物質を蓄積させることになります。それだけではなくストレスや睡眠不足はがん細胞を消滅させる免疫力を低下させてしまうのです。
ただストレスはだれでも望んでいるわけはなく,そのような環境が避けられない場合もあります。その場合は運動をしたり,ビタミンCやA,E,ポリフェノールなどの抗酸化物質を摂取するとよいでしょう。これらの成分は活性酸素を抑制します。
●タバコや大量のアルコールを控える。
タバコの煙の成分には発がんを促す成分が多数含まれます。この成分は肺がんだけでなく,他の臓器の発がんとも関係しています。また,アルコールが分解されることにより生ずるアセトアルデヒトは発がん物質で,大量のアルコールは肝臓や食道を傷め,がんを誘発しやすくします。
●肉類などの動物タンパクを摂りすぎない。高脂肪の食事を控える。
動物タンパクは体内でアミノ酸に分解されますが,過剰摂取されるとその一部は腸内細菌により,発がん物質へと変化してしまうのです。
また高脂肪の食事は胆汁酸を増加させ,それにより,腸管粘膜が刺激されることで大腸がんの発症率を高めるということがわかっています。
●肉や魚の焦げを食べ過ぎない。
焼き魚や焼き肉などの焦げた部分には,ヘテロサイクリックアミンという発がん物質がふくまれています。大量に食べないと影響はないとされるので,あまり神経質になる必要はありませんが,できるなら避けた方がよいでしょう。
●適度の運動をこころがけ,過度にならないよう注意する。
適度の運動は血流を促進させ,有害物質の代謝を促し,免疫力を高めることにつながります。逆に過激な運動は大量の活性酸素を発生させてしまいます。
●食品添加物にも気をつける。
現在発がん性のあるものはある程度は規制されてはいますが,規制されていないものもあり,注意しましょう。
ハムやベーコンに含まれる亜硝酸塩は,ニトロソアミンという発がん物質の生成原因となり,加工食品に含まれる合成酸化防止剤BHA(ブチルヒドロキシアニソール)も動物実験で発がん性が指摘されています。
また合成着色料のなかにも発がん性が指摘されているものもあります。総じて食品添加物は肝臓で分解されるときに活性酸素を発生させるといわれています。
●古い油や古くなった油であげた菓子などは食べない。
油に含まれている脂肪酸は酸化して過酸化脂質となりますが,肝臓で分解されるときに,活性酸素を発生させると言われています。特に油であげたスナック菓子などはできるだけ製造年月日の古いものは避け,また,開封して長時間おいたものは食べないほうが良いでしょう。
●塩分の強い食事を避ける。
塩分の強い食事は胃の粘膜を痛めることが多く,そのような食事を続けることで,胃壁ががん化することがあります。
●食べ過ぎを避ける。
マウスの実験によると、好きなだけ食べさせたグループと,食事量を60パーセントくらいに制限したグループとでは,制限グループのほうが発がん率が低く,長生きしているという結果がでています。
腸は全身の免疫細胞の約30%が集まっているところです。暴飲暴食は腸内の免疫細胞の力を低下させます。また過食による肥満や生活習慣病も,免疫力低下につながります。
●強い日光に長時間当たらない。
近年オゾン層の破壊により,紫外線量は,明らかに増加しています。長時間日光に当たるということは紫外線により活性酸素が大量に発生し,皮膚組織のDNAを破壊し,皮膚がんの要因となります。
●野菜を豊富にとる。
緑黄色野菜にはがん発生の一因である活性酸素を抑えるβカロチンが豊富に含まれています。また野菜にはビタミン,フラボノイドなどの発がんを防止する成分が多数含まれています。最近の研究では淡色野菜にも発がん物質を無害化したり,免疫力を高める効果があることがわりました。
●ビタミンA,C,Eを摂る。
これらのビタミンは活性酸素の働きを抑え,老化やがんの原因となる過酸化脂質の形成を抑制します。ただしビタミンAは過剰摂取も問題で,たとえβカロチンという形で摂取しても単独摂取は肺がんの発生率が増加したという報告例もあり,できればにんじんなど野菜として摂取したほうがよいでしょう。
●体を暖かく保つ。
がん細胞を攻撃する免疫細胞は体温が高いほど活性化し,低いと能力が低下してしまいます。過度な冷房などで体を冷やさないように心がけましょう。また入浴は副交感神経を活発にし,免疫力を高めます。
●乳酸菌を摂るなどして腸内環境を整える。
世界のなかで長寿者が多いという地方に生活している人には,ビフィズス菌など腸内に有用な菌が多いということが判明しています。乳製品として乳酸菌を直接摂る習慣がない地方でも,長寿者が多い地方では食物繊維などの食事が多く,結果として腸内に乳酸菌が多いということです。
腸内から体内に入った乳酸菌は,マクロファージにとらえられます。その結果T細胞が刺激され,インターロイキン2やインターフェロンなどの免疫活性物資が産生されることにより,がんに対する免疫力が高まることが確認されています。つまり乳酸菌は自ら異質な細胞として,免疫細胞に認識させ,臨戦態勢をとらせることで,がん細胞に対しての攻撃力を強化するはたらきがあるのです。
さらに乳酸菌は,その自ら作り出す酸で,腐敗菌を減少させ,腐敗菌の出す発がん物資を抑えることができます。したがってヨーグルトなどの乳酸菌製品,食物繊維を多くとることなどが腸内環境を整え,がん予防としても重要です。