乳がん検診
乳がんは近年急増し,現在女性のがんでは胃がんについで多いがんとなり,年間3万5千人が乳がんとなり,死亡者数は9千人をこえています。
乳がんは40歳代が最も多く発症していますが,20歳代から高齢者まで幅広い年齢層から発症するという特徴があります。
がんのなかでは乳がんは治療成績が良好で,現在では5年生存率は80%~90%に達しています。乳がんの生存率が高い理由として,患者が自分で乳房の異常を発見しやすいことや,治療技術の向上があげられます。
size=3>乳がんは乳房のしこりを発見し,受診する患者も多く,触診も検診の一つの有効な方法です。しかしこのしこりが悪性かどうかの判断は細胞を摂取して検査しないと判断できません。
この触診で発見される悪性のしこりは多くの場合,かたい場合が多いのですが,まれにやわらかいしこりの場合もあります。
また,乳がんは外見からも左右の乳房の形が異なる,乳房を寄せたり持ち上げたりするとえくぼのようなへこみができる,乳頭が陥没するなどの症状が見られることがあり,視診も診断に役立ちます。
最近ではマンモグラフィーを取り入れて乳がん検診をおこなう自治体も増えています。このマンモグラフィーによって早期の乳がんが発見できる確率が欧米では向上したと言われています。
しかし,マンモグラフィーで異常と診断されても実際にがんである場合は5人に1人程度であると言われ,確定診断は組織を採取して調べます。
乳がん検診において,超音波も有効な方法の一つです。この方法では直径5mm以上の腫瘍を発見できる能力を持っています。
また,マンモグラフィーでは乳腺組織が密な場合,腫瘍がの発見されにくい場合もあり,マンモグラフィーと超音波検診でより発見される確率は高くなります。 乳がんは脇の下のリンパ節に転移しやすく,この超音波検査ではこの発見にも有効です。
乳がんは遺伝的な要因がある程度影響していると言われています。近年の研究によれば,乳がん患者の約30%近くが変異遺伝子を受け継いだ影響によるものであると報告されています。
この乳がんに関係する遺伝子は「BRCA1」か「BRCA2」でというがん抑制遺伝子の異常であるということが解明されており,遺伝子診断で異常の有無を確認できます。
乳がんの転移や再発は血液検査による腫瘍マーカーも目安になります。腫瘍マーカーとして検査される物質はがん細胞が産生する「CEA」「CA15-3」「NCC-ST439」などです。
●乳がん確定後の検査
がんの確定診断が行われた後にはMRIやCTなどでがん病巣の大きさや転移の有無を検査します。
また,血液検査による腫瘍マーカーもがんの進行状態の目安になります。腫瘍マーカーとして検査される物質はがん細胞が産生する「CEA」「CA15-3」「NCC-ST439」などです。
●乳がん確定診断
上記に示したような検査で異常が疑われた時は,組織を針で吸引して検査したり,乳頭の分泌物を検査します。
最近は,エックス線や超音波で病巣を確認しながら,コンピュータ制御で細胞を採取するマンモトーム生検も行われるようになりました。
しかし,この針の吸引による微量の組織では診断が確定できない場合,乳房を切開し,組織の一部を採取して検査します。
現在この確定診断の最も新しい技術として,光ファイバーを通して組織に白色光を当て,その反射光を解析することで,悪性か良性かが診断できるようになり,その発見率も90%以上と言われています。