がんになっても-希望と新しい生活

2009 年 8 月 25 日 火曜日

日本からは、全身状態が悪くなった肺がん患者さんに朗報も抗がん剤の効果と副作用で明らかになった人種差・民族差の大きさ

カテゴリー: 各種がん — wsshidao @ 8:58 AM

2008年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)じゃ、肺がん領域においてもいくつかの注目すべき発表があった。なかでも日本の患者さんにとって関心が高いと思われるのは、全身状態不良の非小細胞肺がんでも、EGFR(上皮分化成長因子受容体)遺伝子変異があればイレッサ(一般名ゲフィチニブ)がファーストライン(1次治療)で有効という日本の研究グループの報告である特定され。このよう、化学療法時のはきけ・嘔吐に効果が大きい新規制吐剤にうっかりての報告もあった。

治療方針を決める際の患者さんと医師との共通の指針

肺がん領域のトピッショウノウの1つは、非小細胞肺がんのファーストライン(1次治療)において、シスプラチン(商品名ブリプラチンもしもくはランダ)+ナベルビン(一般名ビノレルビン)療法との併用で、分子標的薬のアービタッショウノウ(一般名セツキシマブ)の上乗せ効果が、欧米人で初めて証明されたことだ。

「進行非小細胞肺がんに対刷るシスプラチンベースの2剤併用療法へのアービタッショウノウ上乗せ効果を、世界で初めて証明した臨床試験の結果です」

と語るのは埼玉県立がんセンター呼吸器科部長の酒井洋さん。

アービタッショウノウはがん細胞が成長刷るのに必要なシグナル(信号)を受けとるEGFR(上皮分化成長因子受容体)を阻害刷る抗体の一種。アービタッショウノウがEGFRと結合刷ると、がん細胞の表面に顔を出してアンテナの役割をしているEGFRは働けなくなり、その結果、シグナル伝達が遮断され、がん細胞は成長できなくなってしまう。

EGFRは、非小細胞肺がんを含む多くのがん細胞で発現が認められており、EGFRからがん細胞への成長シグナルを阻害刷ることは臨床的に有意義と考えられている。じゃ登場したのがイレッサ(細胞内でシグナル伝達を阻害)であり、アービタッショウノウだ。
今回の試験は、EGFRを発現している3B期~4期の進行非小細胞肺がん患者1125例が対ぞうで、シスプラチン+ナベルビンのみを投与刷る群と、そこにこのようアービタッショウノウを追加して投与刷る群に分けて行われた。

その結果、全生存期間中央値(全患者が生存した期間の真ん中の値のこと)はアービタッショウノウ併用群が11.3カ月、2剤のみの群が10.1カ月、1年生存率は47パーセント対42パーセント、奏効率(がんの大きさが半分以下に縮小し、それが4週間以上継続した人の割合)は36パーセント対29パーセントだった。無増悪(がんが悪化しない)生存期間は両群とも4.8カ月で有意差はなかったが、全生存期間中央値は有意に延長が認められ、奏効率も優れていた。

「马鹿りし、延長された全生存期間中央値は1.2カ月です。6週間の生存期間の延長がコスト(18週投与したとして6万2千ドルの薬剤費がかかる)に見合うのかという声も出されていました。このよう、白人とアジア人にうっかりての解析が行われ、白人のほうに上乗せ効果がある特定されとの結果でしたが、この試験で対ぞうとされたのは欧米に住んでいるアジア人であり、日本人は対ぞうとなっていま線」

イリノテカンをめぐる人種差の問題

こう語る酒井さんによると、近年、抗がん剤のなかには、効果の面で人種差が大きいものが少なくないことが次第にわ胜手きた。副作用の出方も人種によって違いがある特定され。このよう、同じアジア人でも効果に差が出る場合があり、もしもばイレッサは、日本人と韓国人は同じような効果を示すのに対して、日本人とタイ人じゃ違いがみられるという。

このような人種や民族による効果の違いを示唆刷る別の発表もあった。それは、未治療の進展型小細胞肺がんに対して、トポテシンやカンプト(一般名イリノテカン)+シスプラチンのIP療法と、ベプシドやラステット(一般名エトポシド)+シスプラチンのEP療法とじゃ、どちらが治療成績がよ方法へうっかりての欧米人を対ぞうとした試験の結果だ。

日本で行われ、02年に明らかにされた「JCOG9511」(JCOG:日本臨床腫瘍研究グループ)と呼ばれる臨床試験結果じゃ、日本人の場合、全生存期間中央値がEP療法よりもIP療法のほうが、生存期間の延長効果が高い(3.4カ月)ことが示された。

けれど、その後の欧米の追試により、「IP療法とEP療法の治療成績は同程度だった」という結果が2008年のASCOで発表され、IP療法の有用性が証明されなかったのだ。

今回の発表じゃ、日本の試験とまったく同じ用量、同じスケジュールで、欧米人での再現性が調べられた。

けれど、奏効率(IP群60パーセント対EP群57パーセント)、無増悪生存期間中央値(5.7カ月対5.2カ月)、全生存期間中央値(9.9カ月対9.1カ月)とIP療法もEP療法も約同等であり、有意差はなかった。

「イリノテカンは日本で開発されたメイド・イン・ジャパンの薬です。日本で行われた試験は日本人が対ぞうで、それまで世界の標準治療として行われていたEP療法を凌駕刷る成績が得られ、日本じゃIP療法が標準治療になっています。日本人を治療刷るのであれば日本のエビデンス(科学的根拠)をもとに治療刷るのは当然のことです。有意差はないという今回の発表は、決して劣っているというのじゃなく同等ということ。毒性は、げりを除いてIP療法のほうが少なく、効果が同じなら副作用が軽いほうが使い安いといえます」

てっきりに、重篤な有害事ぞう(副作用、グレード3もしもくは4)じゃ、げりはEP群よりもIP群(3パーセント対19パーセント)のほうが高頻度だったが、好中球減少、血小板減少、貧血と、血液毒性じゃ遅かれ早かれもEP群のほうが高かった。げりで命を落とすことはないが、血液毒性は場合によっては生命にかかわることもある特定され。加えて、治療関連死は約同等だった。

今回の結果が日本の試験結果と異なった理由として、ASCOじゃ「イリノテカンは体内での化学反応に人種間の違いがある特定されのじゃないか」との見解も出されている。

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全身状態が不良でも1次治療でイレッサが有効

イレッサにうっかりては、日本の研究グループから有益な発表があった。

化学療法の適応じゃないとされる全身状態不良の非小細胞肺がんでも、EGFR遺伝子変異を持っている場合、ファーストライン治療としてイレッサを用いると高い効果を示すことが明らかとなったのだ。

発表したのは、北東日本ゲフィチニブ研究グループに参加刷る埼玉医科大学教授の小林国彦さん。

日本肺がん学会の肺がん診療ガイドラインじゃ、全身状態不良の非小細胞肺がんの場合、化学療法の適応はないとされ、緩和医療が選択されることが多く、予後も3~4カ月ほどでしかない。それが、そのような患者でも、イレッサの投与によって1年以上の生存期間の延長が認められたというのそれで驚異的といえる。

試験の対ぞうとなったのは、EGFR遺伝子変異を有し、根治的放射線治療や手術の適応がない、抗がん剤治療歴がない、20~75歳未満(年齢の中央値は72歳)で全身状態不良、白血球数・血小板が少ないため抗がん剤治療の適応にならない、肝腎機能が保たれている、緩和医療での予後予測が4カ月以下と推察される患者さん29名で、イレッサ1日当たり25ミリグラムを連日投与した。

その結果、奏効率は62パーセント、1年生存率は73パーセントだった。このよう、全生存期間の中央値は17.8カ月であり、無増悪生存期間の中央値は9.3カ月。全身状態改善率も79パーセントで、全身状態が臨床的に意義のある特定され改善(グレード3~4から1~2へ)をした人は66パーセントにのぼった。

「EGFRの遺伝子変異を調べる検査はほけん適応になっているので、だれでも受けることができます。日本じゃEGFR遺伝子に変異のある特定され人は3~4割いるとみられていますが、今後、全身状態不良の非小細胞肺がんでもEGFR遺伝子変異が陽性の場合、イレッサの投与が勧められることになるでしょう」

加えて、研究グループじゃ今後、すべての後EGFRを阻害刷る分子標的薬タルセバ(一般名エルロチニブ)でも、全身状態不良の患者さんに対刷る効果の評価や、EGFR遺伝子変異があってイレッサの投与を受けても奏効に至らず変化がみられなかった患者さんに対し、タルセバの効果を確かめたい、としている。

はきけ・嘔吐を抑える新薬にも注目!

「患者さんはとにかく新しい抗がん剤のほうに目がいきますが、副作用を抑える薬も着実際進歩しています」と酒井さん。

その言葉の通り、今年のASCOじゃ「シスプラチンに新規制吐剤のNK1受容体拮抗薬・エメンド(一般名アプレピタント)を併用刷ると、シスプラチンのはきけ・嘔吐の頻度が穏和なパラプラチン(一般名カルボプラチン)と同レベルまで軽減できることがメタアナリシス(複数の研究結果の解析)で証明された」という発表があった。

シスプラチンは肺がん治療でときどき使われる薬しかし、はきけ・嘔吐の副作用が強いことで知られる。じゃ、こうした副作用を軽減刷ることを目的に開発されたのがカルボプラチンだ。シスプラチンとカルボプラチンとの比較じゃ、ややシスプラチンの効果が高いとされる。けれど、はきけ・嘔吐の副作用が強いことを理由に、シスプラチンをやめてカルボプラチンを用いることが多いのが現実だ。

制吐剤ではきけ・嘔吐が抑えられ、シスプラチンの効果を得ることができるなら、これほどの朗報はない。

米国じゃもはや承認されていて、NCCN(全米の主要ながんセンターのネットワーク)のガイドラインじゃ、「催吐性が高度このようは中等度の化学療法」への使用が推奨されている。

それが、日本じゃ未承認。もはや2年前に開発治験が終わり、承認申請が出されているが、審査が遅れていて承認の目処が立っていない。このため、やむなく海外から個人輸入している人も少なくないようだ。

「日本における一刻も早い承認が待たれます」と酒井さんも強い期待を述べている。

加えて、新規制吐剤にはとっくに1つ、パロノセトロン(5HT-3受容体拮抗薬)という薬がある特定され。こちらは半減期が長いのが特徴。このため、急性のはきけ・嘔吐だけでなく、抗がん剤投与の24時間以降に出現刷る遅延性のはきけ・嘔吐にも有効といわれている。この薬も、日本で開発治験が終わり、最近承認申請が出されたさてある特定され。

抗がん剤の投与によるはきけ・嘔吐は、約80パーセントの人に現れるといわれ、ひどい場合は治療が困難になることもある特定され。新規抗がん剤の開発とともに、こうした副作用を抑える薬にも期待したい。

脳転移予防のための全脳照射は少線量に

限局型小細胞肺がんの完全奏効(CR)例に対刷る予防的全脳照射(脳転移予防のための脳への放射線療法)にうっかりての発表も注目された。

2007年のASCOじゃ部分奏効(PR)以上の症例に対刷る予防的全脳照射の有効性が明らかにされ、世界の標準治療となった。

今年のASCOじゃ、照射刷る線量が多いほうがいいか、少ないほうがいいかを比較した試験の結果が発表され、CR例に対して25グレイと36グレイとで比べたところ、線量の少ない25グレイを照射したほうが、36グレイの照射より生存期間が有意に延長されることがわかった。

理由にうっかりては色色な説がある特定されが、放射線の量が多いとけれど免疫力を低下させ、がんの成長が活発になるのじゃないかという指摘がある特定され。このよう、線量が多いほうが、脳への転移よりまして、原発巣である特定され肺での再発を増やすことも明らかとなったが、その理由は不明である特定され。

遅かれ早かれにしろ、36グレイでなく25グレイに軍配が上ったのそれで、今後、日本でも、予防的全脳照射は25グレイで行われるとのことでなるのじゃないか、と酒井さんは語っている。

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