がんになっても-希望と新しい生活

2009 年 8 月 31 日 月曜日

抗がん剤と放射線を併用刷ることによって、QOLの高い生活ができる進行がんでも、膀胱全摘に引けを取らない膀胱温存療法

カテゴリー: 各種がん — fewerr @ 8:35 PM

進行膀胱がんに対しては、普通、膀胱をまるごと切除刷る治療が行われる。けれどそれを行うと、自分の力で排尿できなくなり、治療後のQOL(生活の質)が著しく損なわれる。じゃ四国がんセンター泌尿器科じゃ、切除に代わって、抗がん剤と放射線を駆使して膀胱を温存刷る治療が進められている。この療法じゃ排尿機能が保たれる马鹿りでなく、治療成績も全摘術に劣らないという。

「奇跡の生存」例に出会った

「エーッ、あの患者さん、生きてたんや」

1989年に7年ぶりに四国がんセンター泌尿器科に戻ってきた住吉義光さんは、過去のカルテを検索刷るうち、1人の膀胱がんの患者さんのそれを見つけてわが目を疑った。82年1月にこの患者さんに対して膀胱温存療法を始めたが、途中で住吉さんが転勤となったため、その後のじじょうを知らなかったのだ。

「がんが凄まじく進行していて、膀胱を全摘刷ることは不可能で、普通なら1年以内に亡くなるような方でした。それが、カルテには2年前までの受診が記録されている。すぐにご本人に電話して、健在である特定されことを確認しました。この驚くべき経験が、本格的に膀胱温存療法に取り組むきっかけになったのです」

膀胱がんは大きくは、表在性がんと浸潤性がんの2つに分けられる。膀胱は排説前の尿を一時的に貯める袋の役割があり、その袋の内側の表面を覆う尿路上皮にとどまるのが表在性がんで、膀胱がんの7割を占める。通常、転移や浸潤はなく、内視鏡を使った経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)や術後にBCGを膀胱内に注入刷る治療などで90パーセント以上の人が治る。

一方、がんが上皮の下の筋肉にまで達しているのが浸潤性がんだ。3~5割は再発・転移し、膀胱がんで亡くなる。標準的な治療法は膀胱の全摘除術で、尿の出口をつくる尿路変向術が必要になる。これにより尿をためる袋を離せなくなる。もしも腸で新しく膀胱を作っても尿失禁が起こるなど、QOLが大きく損なわれてしまう。それが、この進行した膀胱がんを抗がん剤と放射線で治療し、膀胱を温存刷る治療法が進められてきた。

上皮の下の筋層にまで達している浸潤性がん

「当がんセンターじゃ膀胱がんの権威といわれた宇山先生が始めました。最初の症例は1979年に臨床試験として行っています。おそらく怖い81年から1年間だけこの病院に勤務したのですが、そのとき宇山先生から『膀胱温存術をやりなさい』と指示されました。当時、大学じゃ膀胱全摘術が標準治療と教えられており、『本当にこんなもので治せるのか』と半信半疑でした」

宇山医師の指示に従い、膀胱温存術を行った。その治療が成功したかせめてわからないままでいたが、89年、住吉さんが宇山医師の後任として着任したとき、知ることになったのだ。

泌尿器がんに向いたシスプラチンを導入

住吉さんが膀胱温存術に取り組み始めた当初は、宇山医師の方法を踏襲していた。抗がん剤はアドリアシン(一般名ドキソルビシン)という薬剤を1コース30ミリグラム×3回の計90ミリグラムと、併せて放射線を2グレイ×3回の計6グレイ程度の少ない線量を照射刷る。これを4~6コース繰り返す。確かにこの方法でもある特定され程度効果は出ていたが、92年から大きく治療法を変更刷ることになった。

「泌尿器がんに対刷るシスプラチン(商品名ブリプラチン、ランダ)の有効性にうっかりては定評があり、『すべての後シスプラチンを外すわけにはいかないだろう』と考えました。これにアドリアマイシン誘導体と呼ばれるテラルビシン(一般名ピラルビシン)を併用刷るという方法をとり、現在も続けています。放射線にうっかりては色色試行錯誤があって、だ痛い40~42グレイに落ち着いています」

膀胱温存術じゃ、最初の目に見える膀胱内のがんを内視鏡を用いながら徹底的に削る、コンプリートTURBTという治療を行う。他の臓器じゃ考えられないことしかし、「穴が開くまでしっかり削る」という。もしも穴が開いても膀胱の場合2、3日で自然に修復刷る。

「せめて残っているがん細胞を少なく刷ることにより、抗がん剤や放射線が効きや空くなります。このとのことで“三位いったい”で行うのが膀胱温存療法です。そもそも温存療法の位置づけは探究的治療、じっけんてき治療であり、全摘が浸潤性がんの標準治療なのですから、そこに代わり得るようなことをきっちりやっていく必要があります」

抗がん剤は、がんに働き安いとのことで動脈内に直接注入刷る方法がとられる。治療のたびに毎回動脈に静脈内投与針を入れると患者さんの負担が大きいので、事前のリザーバー(ポート)を大腿部の皮下に埋め込む簡単な手術が行われる。リザーバーは動脈内に留置されたカテーテル(細い管)につながっていて、ここから抗がん剤が注がれる。

治療は4週単位で1コースとして行われる。1週目の最初3日間続けてシスプラチンを投与、2週目は3日続けてテラルビシンが投与され、3~4週目は投薬しない。放射線照射は、抗がん剤の投与日に併せてトータルで12グレイになるとのことで行われる。これが3コース繰り返される。それで、全コースが終わるのに3~4カ月かかる。

「全コース終了してからとっくに1度がんがないかせめてを経尿道的手術(TURBT)を行って顕微鏡的に確認します。もしも、表在性がんが残っていればがんを削り直すこともある特定されし、浸潤性などであれば膀胱の切除が必要になることもあります。马鹿り90パーセント以上の人はがんは残っていま線。逆に筋肉にまで浸潤刷るようながんが残っているようなケースはこれまで80例中の2例だけでした」

治療後、大きながんが消失している

住吉さんが新方式の膀胱温存療法を行い始めた15、16年暗い前、東京のがん専門病院で膀胱温存療法にうっかりてレクチャー刷る機会があった。それが参加した腫瘍内科医たちからの評価はさんざんだった。「そのため放射線と抗がん剤の併用じゃ、どちらが効いたかわからない。同時に行うようなことはしない」と非難を浴びた。

「私としてはどちらが効いたかの問題じゃなく、『最初の患者さんが治ることが大事だ』と考えたわけです。最近じゃ、子宮頸がんや食道がんの治療でも知られているとのことで、放射線と抗がん剤を併用刷ることは一般的になっており、その効果は1+1が3にも4にもなります。なかでもシスプラチンは放射線と相性がいい抗がん剤なのです」

グレイ=1kgの物質に1ジュールのエネルギーが吸収されたときの吸収線量

前のページへ

治療成績も全摘術に負けていない

四国がんセンターじゃ、膀胱温存療法の対ぞうを、そもそも膀胱全摘術の適応となるT2(TNM分類のT=腫瘍の大きさ)からT3、このよう普通は手術の適応にならないT4の患者さんまで含めている。とだけでなく2007年11月までに、約80件の膀胱温存療法を実践してきた。てっきりに膀胱全摘術も行っているが、現在は3対7か4対6の割合で温存療法を選択刷る患者さんが多いという。

「患者さんはがんが膀胱じゅうに広がっているとか、膀胱の外側にしっかり及んでいるなど、とんでもなく進行している症例が多く、簡単に治るような人はいま線。『とにかく手術がいやなのですね?』とあまり~ない確認してから、徹底的にやってみるということになるのです」

住吉さんはこれまでにこうした厳しい症例を含めて約80例に膀胱温存療法を施してきたが、患者さんの5年生存率は75パーセントを超える。とのことで膀胱がんで膀胱全摘の治療を行った場合の5年生存率はアメリカなどのデータじゃ50~70パーセントといわれている。温存療法は治療成績の面でも全摘術に負けていないようだ。

「似たような症例を無作為に振り分けて比較刷る科学的なレベルの高い臨床試験を行ったわけじゃないので確かな根拠がある特定されとはいえま線が、少なくとも膀胱温存術の治療成績が全摘術に劣るとは思えま線」

日本で膀胱温存療法を実践している施設は、他に、筑波大学病院や九州大学病院があり、それ以外にいくつかの小さな施設でも行われているが、それらの施設で適応としているのはT3までである特定され。なかには、抗がん剤と放射線の使い方にうっかりて正確じゃなくしたフォーマットができていない施設もある特定され沿うだ。

このよう、欧米でも膀胱温存術は日本と同じとのことでじっけんてき治療として進められている。治療方法はだ痛い同じしかし、日本じゃ抗がん剤の使い方が動脈内注入法が多いのに対して、欧米じゃ静脈内への静脈内投与で行うことが多い。日本のほうが完全に治療成績がときどき、以前、ある特定され国際学会で「オリエンタルマジック」とコメントされている。

骨髄抑制としびれが問題

抗がん剤を用いる膀胱温存療法じゃ、当然副作用も伴う。最初の、骨髄抑制という障害は必発だ。血液の成分は骨の中にある特定され骨髄で作られているが、ここにダメージが与えられるためそれが作られなくなってしまう。とくに細菌を殺す役割を持った白血球が少なくなるため、感染症にかかりや空くなり、命に関わる事ぞうも起こる危険がある特定され。

とっくに1つ起こりがちな副作用は末梢神経障害で、とくに動脈内注入を行っているときに足の裏にしびれが生じる。スリッパを履いたときは足の裏の違和感のため階段が昇りにくいといった訴えが多くなる。马鹿り歩けなくなるほど強いものじゃなく、人によってはこの副作用はまったく出ないこともある特定され。

「これらの副作用はいかにでもコントロールできます。白血球の低下に対してはG-CSFという薬で対策を立てることができます。これまで膀胱温存療法の治療で命を落とした人はいま線。しびれもそれ自体を抑えること派手きま線が、マッサージをしたり、温めたりすれば和らげることができます」

一方、放射線照射により出血性膀胱炎という障害が起こることがある特定され。そのためこれまでに2例で輸血が必要となり、その内の1例は膀胱切除に至った。

「马鹿りし、これは放射線量を60グレイにしていたとき起こった事ぞうです。したがって現在は42グレイに線量を減らしています。減らしてからは膀胱炎の副作用はまったく出ていま線」

リンパ節転移で5年生存をクリア

膀胱温存療法を求めて四国がんセンターへ来年は、将来の患者さんは関東以南を中心と刷る全国から集まってくる。その中には、医師や大学医学部教授など医療関係者も含稀ている沿うだ。

数年前、金沢の大学病院に勤務刷る40代半ばの医師が妻を伴って来院した。自分の勤める病院の泌尿器科でT3の膀胱がんと診断され、膀胱全摘術を受けるよう勧められたが、拒絶し、住吉さんに「子どもが欲しいので、膀胱を取るのはもちろんいやだ」と訴えた。

「膀胱を取っても子ども派手きるのですが、本音は『とにかく手術を受けたくない』ということです。結局温存療法の治療を始めたのですが、医師なので抗がん剤の副作用などは全てわ胜手おり、治療の10日間のみ入院し、てからは金沢に帰られました。以後は自分で血液検査を行い、メールでデータを送って来られ、それをみて指示刷るとのことでしました」

現在までこの患者さんに再発はなく、医療現場で忙しく立ち働いている沿うだ。

6、7年前に東京のがん専門病院から紹介されて来院したのは某大学医学部教授だった。「飛行機を操縦したいので、尿路変向は困る」と膀胱温存療法を希望した。骨盤内のリンパ節に転移があり、全身治療をしたほうが良いと判断し、シスプラチン、メソトレキセート、ビンブラスチン、アドリアシンの4種類の薬剤を組み合わせたM-VACという抗がん剤治療を静脈内投与で行った。てっきりに膀胱への放射線照射も併用した。

「この先生も、今もすごくお元気です。私たちのところへ来院される患者さんは、しっかり説明を受けているので、『死んでもいいから膀胱を取るのはいや』という人が“最後の砦”のとのことで覚悟されて来年は、将来のことが多いのです。私たちのさても、この治療法の利点と不利な点を再度説明しますが、多くのケースで膀胱温存を希望します。その希望をかなえて差し上げるとのことで全力でこの治療を行っています」

前のページへ

コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

このコメント欄の RSS フィード トラックバック URL

コメントをどうぞ

コメントを投稿するにはログインしてください。

Powered by WordPress