がんの発生と増殖
がん細胞は,もとは正常細胞から発生したものであり,正常細胞遺伝子に様々な要因によって,変異が生じることで発生します。ただ細胞ががん化するには遺伝子の変異が1つではなく,少なくとも6つ以上は必要と言われています。この様にして遺伝子変異を積み重ねた細胞がやがて無制限に増殖するがん細胞へと変容してしまうと考えられています。
がんの発生二段階説では細胞の変異が生じた状態とその変異細胞が増殖していく過程にわけて考えています。その説によると第一段階において,正常細胞を傷つけ変異細胞を発生させるもの(発がんイニシエイター)には活性酸素や放射線,紫外線,ウィルス,化学物質などがあります。
第二段階として,その変異細胞の増殖を促進させる様々な因子(発がんプロモーター)によって変異細胞はがん化し,異常増殖していきます。一言でプロモーターと言っても発がん部位によっても異なりますが,脂肪や食塩,タバコ関連物質,ホルモン,胆汁酸,化学物質など様々です。
こうしてみると,発がんイニシエイターも発がんプロモーターも多くが日常的に存在するものであり,事実,遺伝子が変異した細胞は誰にでも日常的に発生し,毎日数千個のがん細胞が発生していると考えられています。しかし,細胞自体にこの遺伝子変異を修復するメカニズムもあり,また免疫細胞によっても排除されるため,がんにならずにすんでいるのです。
またがん細胞はある程度の大きさになると血管のにシグナルを送り,がん細胞に向かって血管を成長させ,血液から酸素や栄養分を吸収し,その後急速に増殖します。これを血管新生と呼びます。さらに血管を通って他の臓器に転移します。