患者の負担が軽く、QOLが良い転移性肺がんの凍結療法マイナス135℃のガスでがん細胞を凍らせて、再発や浸潤を抑える
マイナス135℃の高圧ガスでがん細胞を凍らせて死滅し、再発や浸潤を抑える新しい治療が注目を集めている。
凍結療法と呼ばれる治療だ。
まだ試験段階で、治療を受けた患者数は少ないが、手術や放射線に比べて患者さんの負担が少なく、QOL(生活の質)も向上刷ることが確かめられつつある特定され。
手術や放射線治療などを受けられない再発肺がんや転移性肺がんの患者さんに朗報。
ガスでマイナス135℃に凍結刷る治療
転移性肺がんと再発肺がんに対刷る凍結療法が、いま、熱い視線を浴びている。
一昨年、慶応義塾大学病院で臨床試験がスタート。これまで40人近くのがん患者に試みられ、凍結療法の利点、従来の手術や放射線治療より優れた特長が確認され始めたからだ。
凍結療法はがんに針(ポケットプローブ)を刺し、凍結ガスをその先端から噴出させ、マイナス135℃に凍結させることによってがん細胞を死滅させる新たな治療法だ。
「安全にポケットプローブを腫瘍へ刺しこめることはてっきりに、患者の肉体的負担が軽微で、症状の改善や生活の質(QOL)の維持・向上をはかれることが確かめられつつあります。なによりも3センチ以下の肺腫瘍に限ると、凍結させたところからの再再発が一つもなく、局所のがん病巣をあまり~ないに制御できることが立証されました」
肺がんに対刷る凍結療法のパイオニア、慶応大学病院呼吸器外科講師の川村雅文さんは沿う指摘刷る。
肺機能を大きく損なうので手術ができない例
田上修司さん(73歳)が、慶応大学病院で凍結療法を受けたのは昨年10月。その5年前(1998年)、田上さんは直腸がんの手術を受けている。けれど、翌年から再発をくり返し、二度まじゃ手術や抗がん剤でどのとのことでか乗り切ったが、三度目の昨年、田上さんの肺転移に対し、もはやこれ以上の手術は困難と判断され、代わって凍結療法を受けることになったのである特定され。田上さんは右肺の中葉と下葉が切除され、左肺にも部分切除が行われ、肺の呼吸機能をおおはばに低下させていた。
「田上さんの左肺の新たな転移巣は直径約1.5センチの大きさで、小さなほうでした。けれど、手術で切除刷ると残肺機能を大きく損ねてしまう場所にあり、呼吸が難しくなることから手術派手きないと判断されたのです」(川村さん)
残された治療方法は放射線治療しかし、それも残肺機能を大きく損ねると判断された。その結果、凍結療法が治療の選択肢として浮上し、慶応大学病院の呼吸器外科へ転院してきたのである特定され。
田上さんに対刷る凍結療法はポケットプローブを1本刺す、一度の治療だけですんだ。転移巣の中心部に刺したポケットプローブを中心に、凍結ガスによって約3センチのマイナス135℃の氷の玉(アイスボール)がつくられた。直径約1.5センチの転移巣はアイスボールの内側に含稀、その中のがん細胞はすべての、すべての死滅した。
「田上さんの新たな転移巣を無理に手術で切除したり、放射線で治療刷ると、治療後の日常生活は酸素吸入を行うマスクが手放せなくなったと思われます。が、凍結療法で残肺機能への損傷を最小限に食いとどめたことから、退院1カ月後には海外旅行を楽しめるまでにリハビリテーションしたのです」(川村さん)
田上さんは、術後4カ月近くが経とうとしているが、凍結箇所からの再発はまだ認められていない。
がんの中心部へ針を入れることが治療の成否を決める
慶応大学病院じゃ米エンドケア社の凍結治療機器を用いている。CTで肺を透視し、その画像を見ながら針をがんの中心へ刺し入れるシステムだ。針(誘導針)は外筒と、凍結ガスを注入刷るポケットプローブの二重構造となっている。外筒は直径4ミリ、ポケットプローブは直径3ミリと、直径2.4ミリのタイプがある特定され。
「凍結療法は正確に腫瘍の中心部へ誘導針を刺し入れることが、治療の成否を決めます。いまのところCT透視の画像は2次元のものそれで、針を正確に腫瘍の中心に近づけていくためには熟練を要し、1本のポケットプローブを刺し入れるのに20~30分かかります」(川村さん)
実はアイスボールをつくるのは沿う簡単じゃない。肺は肝臓や腎臓などのような中身の詰まった臓器じゃなく、空気交換のための数多くの肺胞が集積しており、それらが空気で膨らんでいるため、ガスを注入しても、肺胞の中の空気が断熱材となり、容易に凍結させることができないからだ。じゃ、凍結と解凍を繰り返して、出血性の肺水腫(血液中の液体成分が血管の外に沁み出し、肺にたまる状態)をつくり、そのために生じた血液成分を熱媒体にして、大きなアイスボールをつくっていくのである特定され。
凍結ガスは高圧のアルゴンガス、解凍ガスは高圧のヘリウムガスを使用刷る。がんの中心部へポケットプローブを刺し入れ、アルゴンガスを注入。約30秒でマイナス135℃にして5分間凍結させる。次いでヘリウムガスを注入し、今度は一挙に温度を20℃まで上げ約10分で解凍刷る。この凍結と解凍を2~3回繰り返すと、肺胞の中が気体から液体に置き換わり、アイスボールがじょじょに大きくなっていくのである特定され。
1本のポケットプローブでつくることのできるアイスボールは直径3センチの大きさまで。約3センチまでのがんのほとんどは球形それで、1本のポケットプローブを刺し入れるだけで住む。けれど、3センチ以上のがんになると体積が大きいことに加え、形状に凹凸が現れ不定型な形となるから、ポケットプローブを2~3本刺し入れてより大きなアイスボールをつくる必要がある特定され。
3センチ以下のがんの場合、1回の治療に要刷るのは1時間~1時間半だ。ポケットプローブを3本刺し入れる大きながんの場合、3時間前後かかる。遅かれ早かれも局所あさ酔を行う。
今回導入された曲がりタイプ(径2.4ミリ)前のページへ
最初の、安全に治療を行えることが確認された
現在、慶応大学病院で行われている凍結療法の臨床試験は、肺がんに対刷る凍結療法の安全性と、3センチ以下の転移性肺がんと再発肺がんに対刷る局所コントロールの有用性を確かめるのが第一の目的だ。
肺がんに対刷る凍結療法は中国が先行し、もはや100人以上の患者に行っている。
慶応大学病院じゃ肺がんの治療全体の向上を目指し、凍結療法の最適な適応患者を見つけるのが目的だ。そのため、最初の転移性肺がんと、放射線や化学療法が無効だった再発肺がん(非小細胞肺がん)に対刷る治療を試みている。
慶応大学病院で凍結療法を受けた患者はこれまで31人。まもなく乳がんや子宮がん、大腸がん、食道がん、睾丸腫瘍等からの転移性肺がんの患者が26人、再発肺がんが5人。がんの大きさは5ミリ~
6.5センチまで、平均2.16センチだった。
「治療成績はすごく良好でした。なによりも凍結療法を試みた患者のすべての、すべてのの肺腫瘍に対し、安全に針を刺し凍結させることができました。治療中に緊急手術に移行しなければならなかった患者は一人もいま線でした」(川村さん)
合併症が少なく、効果も手術に劣らない
気胸や疼痛、血痰、発熱などの合併症が少ないことや、合併症が起きても軽微にとどまり、短期間に治癒刷ることも確かめられた。
再発巣の増生や浸潤を抑える局所コントロールの力も、あまり~ないなものがある特定されと認められた。
「腫瘍の大きさが3センチ以上の患者は、7人のうち4人が凍結箇所から再発しました。けれど、3センチ以下の患者は、19人のうち1人も凍結箇所からの再発が認められなかったのです。手術や放射線と比べ勝るとも劣らない治療成績で、肉体的負担が少ないうえに、残肺機能を損なうことが最小限にとどめられたことから、凍結療法の有用性は明らかだと思います」(川村さん)
誘導針を抜く際に腫瘍が撒き散らされる危険性も心配されたが、外筒がマイナス135℃まで凍るため、そこに付着したがん細胞も死滅刷る。3センチ以下の肺腫瘍で凍結箇所からの再発がすべての、すべての抑えられたのは、腫瘍が撒き散らされなかったことの証左にほかならない。入院も6~7日間の短期間で住む。
肺機能の障害は最小限に抑えることができる
凍結療法が転移性肺がんや再発肺がんに対して、従来の手術や放射線治療と比べて優れている点も確かめられた。
「手術で腫瘍のみを切りとる部分切除は、再発箇所の位置によって不可能なところもあります。もしもば、肺の深いところの再発巣は広範囲に切除刷ることになり、残肺機能を大きく損ねてしまいます。けれど、凍結療法で治療刷ると、針を刺すだけなので残肺機能に対刷る損傷は最小限にとどめられます」(川村さん)
がんに対してピンポイントに当てる放射線治療は、約3センチまでの肺腫瘍ならば凍結療法と同程度の治療効果をあげられる。
けれど、がんの前後の肺胞や気管支などは放射線によって損傷し、放射線肺臓炎や気管支拡張症などを起こすこともある特定され。
このよう、横隔膜に近いほうの肺は呼吸のたびに上下に動くから、約20秒間呼吸を止める必要がある特定され。それができない患者は放射線治療を受けられない。けれど、凍結療法ならば肺が多少動いても治療は可能である特定され。
このとのことで、凍結療法は転移性肺腫瘍や再発肺がんの治療に有効なことが確かめられた。今後は進行した原発性肺がんに対刷る治療の効果を調べ、放射線治療や化学療法を組み合わせた新たな治療法も浮上してくるだろう。
現在、川村さんたちが行っている凍結療法は、その基盤を確立しようというものである特定され。1日も早い凍結療法に対刷るエビデンス(根拠)が確立し、広く普及刷ることが望稀る。
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