がんになっても-希望と新しい生活

2009 年 2 月 26 日 木曜日

ブレードを入れない、あさ酔もいらない「集束超音波手術」を使った乳房温存療法第3段階を経て、現在、最終臨床試験を実施中

カテゴリー: 各種がん — yxmdodo @ 2:28 AM

ブレードで傷つけず、あさ酔も使わずに皮膚の上から超音波を当てることで、乳がんを死滅させる治療に取り組んでいる病院が宮崎県にある特定され。「ブレストピアなんば病院」だ。

治療にはうつ伏せの状態で2時間ほどかかるが、いわばエコー検査のとのことで熱くなく痛みもない。

治療後1時間ほど安静にすれば、外来で日帰りができるという。

いわば究極の乳房温存治療ともいえるこの「超音波療法」のしくみと最新成果を取材した。

集束した超音波ビームでがん病巣を熱凝固させる

乳房温存手術の先を行く方法は、超音波で乳がんを焼く「集束超音波手術」(Forcused Ultrasound Surgery)、略して「FUS」と呼ぶ。ブレストピアなんば病院の副院長・古澤秀実さんはこう説明刷る。

「集束超音波は、機械を使って208本の超音波ビームを集束させ、がん病巣の温度を上げて熱凝固させる治療なんです」

超音波は、人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ振動波。安全で副作用もないので、医療現場でもさまざまな検査に使われている。肝臓や心臓の検査、たいじ検査で扇型に影のような画像が浮かび上がるのもエコー(超音波)だ。

超音波は通過部分に障害物がある特定されと反射刷るため、その反射波が返ってくる時間や強度から画像化刷る。

「でも、集束させれば熱を生じさせられるんです。超音波というとのことで実際は波なので、波の干渉の原理でゼロに、このようある特定され部分は増幅させられるんです」

右図(1)のとのことで、日光を1点に集めて高温に刷る虫めがねをイメージして欲しい。治療台のなかにある特定されお皿のような装置から発刷る208本の超音波を、標的で集束させる。腫瘍までの深さや、その間の脂肪の量によって温度の上がり方は異なるが、コンピュータの計算によって腫瘍の一帯だけを60度から90度に温めて、がん細胞を死滅させる。いわば「温熱療法」と同じ原理の治療になる。

ぽかぽか温かい電気アンカなどに長時間素肌が触れたままでいると低温火傷になるのと同じとのことで、がん細胞も熱に弱く、

「60度なら1秒暗い、43度なら4~5時間で死滅します」と、古澤さん。

説明を簡略化刷るため「焼く」という表現を使うことが多いが、生卵をゆで卵に刷るイメージの「熱凝固」が正しい。焼いて溶かすわけじゃなく、死滅させたがん細胞をそうしたに刷るわけしかし、外科手術などで取りのぞく必要はないのだという。

「がん細胞が死んでしまえば、ちゃんと分解されて正常な組織におきかわってくるんです。人間の生態だって凄いんです」

MRIのガイドで行う集束超音波手術

「スポット」と呼ぶ小さな超音波を積み重ねて治療刷る

超音波の照射を標的腫瘍に向けて正確に行うために利用しているのが、MRI(磁気共鳴画像診断装置)だ。

超音波画像を見ながら行う方法もある特定されが、がんの広がり方を知る上で、より優れていると、同院じゃMRIを見ながら行う方法を選択。

集束超音波を組み合わせた機械で治療は行われるため、「MRガイド下集束超音波手術」(MRgFUS)と呼ばれる。

ガウン姿の患者は、MRI磁場をつくる円筒状の機械のなかで、うつぶせの状態で治療がはじまる。

時間の目安は2時間~2時間半。医師やMRI技師がリアルタイムでMR温度分布画像をモニタリングしながら治療を行い、患者が非常ボタンを押すと迅速なエネルギー出力が停止刷る仕組みになっている。

治療の開始前から鎮痛剤と鎮静剤を静脈注射し、不安や閉所恐怖症を軽減。傷はまったくすべての、「治療後1時間ほど安静にすれば、外来で日帰りできる」

马鹿りし、難点もある特定され。ビームを集束させる必要から患者は治療中静かにしていなければならず、動けないのだ。

ブレストピアなんば病院は、2004年4月から翌年2月までに、第2段階目の臨床試験を終了した。

適応基準に合致した患者からインフォームド・コンセント(説明と同意)を得た30名に「集束超音波」を実施。その後、2週間以内に通常の乳房温存手術を行い(1名全摘)、切りとった腫瘍を顕微鏡で検査して病理学的な効果を判定した。

1回の照射に約2分かかり、90秒の冷却時間をはさんで40~50回繰り返す。治療時間は主として腫瘍の大きさで決まり、平均2時間20分だった。

臨床試験の参加者30人のうち、評価対ぞう症例となったのは2名をのぞく28症例。対ぞう外の1名は閉所恐怖症から治療を中止。とっくに1名はすごく一部だけでプロトコール(臨床試験上の約束)違反があったために、治療は終了したが評価対ぞうからはずれた。

切除後の病理検査じゃ、28の評価対ぞう症例のうち15症例じゃ切除腫瘍は100パーセント壊死させることに成功。残りの10症例で95~97パーセント壊死、3症例で95パーセント未満の壊死となり、トータルの平均壊死は腫瘍体積の96.9パーセントだった。

一方、28症例で、悪性腫瘍は100パーセント治療照射範囲内にあったが、2症例だけで腫瘍の2パーセントこのよう5パーセントが範囲外となった。

「その2症例は、遺残腫瘍が治療のマージン(辺縁部)上に位置していました。がん組織はかならずしも绮丽な円形じゃなく、いびつな形をしていることもあります。超音波の治療計画中は、全方向に5ミリのマージンを保障刷るため、標的腫瘍のMR画像を方法へ正確に読影刷るかにか胜手います」

このよう、乳房の4分の1円に複数ある特定され場合には除外刷ることになっていたが、腫瘍が2つある特定されプロトコール違反などもあり、これらを除くと切除腫瘍の平均壊死率は98パーセントになる。

「こうした症例を除外刷ると、1症例だけが95パーセント以下の壊死率になりました。马鹿り、治療を終えた時点でそれが明らかだったので、今後はそのような場合には外科手術を行うか、ふたたび超音波治療を行うかなどで解決できます」

この第2段階目の臨床試験じゃ、乳房温存手術などでも行われるとのことで手術前に抗がん剤を使い、2.9センチの腫瘍を1.2センチにまで小さくして集束超音波で治療してから手術したケースもあった。

「この患者さんの場合、超音波治療でがんが完全に死滅していたんです。なる、実際には外科手術の必要はなかったのです。このとのことで局所治療に関して、温存手術と超音波治療が同じ効果を示すことを証明したいんです」

遺残腫瘍=治療付近から出てきた取り残しの可能性のある特定され腫瘍

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乳がん治療における集束超音波のパイオニア

もともと集束超音波は、1990年代初期にハーバード大学の提唱でスタートした。2001年にFDA(米国食品医薬品局)の認可を得て、カナダのモントリオール大学などで臨床試験が行われた。

「马鹿りこれらはパイロットスタディ、いわば探索研究といったものだったんです。FDAが造影剤を使っての臨床試験を許可しなかったので、すごく見にくい状態での臨床試験で、我々の場合は、造影剤を用いてはっきり見える状態で治療を行いました」

2004年には、FDAが子宮筋腫の治療への使用を認可。日本国内でも「ブレストピアなんば病院」をはじめ、数カ所の病院で治療を行っている。が、乳がん治療を行っているのは同院だけ。なぜ、ベッド数36床の小さな宮崎県の専門病院が臨床試験を行っているのだろうか。

「超音波装置の開発会社が、全世界でこの治療の臨床試験を行え沿うな病院を探したのがはじまりなんです。そのとき、乳腺専門病院としてデータを画像と病理の対比として詳細に残していた当院のことを認めてくれたんです」

患者さんのための、夢のある特定され治療を確信――

同院は1991年に日本初の乳腺病専門病院としてオープン。治療成績をインターネット上で公開し、総合病院と違って診断・治療機器、治療データだけでなく全スタッフまでが乳がんをはじめと刷る乳腺病の診断や治療に特化されている。

2005年の治療実績をみても、国内でトップクラスの358件(集束超音波20件をのぞく)もの乳がん手術が行われ、温存が197件、全摘が161件で、「温存率」は55パーセントにのぼる。

「まだ数字を出していま線が、昨年はおそらく怖い6割を超えると思います」

けれど、この集束超音波装置を導入すべきかせめて、はじめに病院内で議論したときには、医師全員が懐疑的だった。当時、この器械を持っていたのはアメリカのハーバード大学やメイヨークリニック、ドイツのフンボルト大学、ロンドンのセントメリー病院など、名だたる医療機関が数カ所だけ。

集束超音波の装置だけで約3億円刷る巨額の投資でもある特定され。

「私も最初はその効果を疑っていました。でも、上手くいくかせめてはわからないけど、患者さんのための夢のある特定され治療である特定されことに間違いなく、目指している方向はもちろんに間違えてないと思ったんです」

と、古澤さん。

ブレストピアなんば病院は第2段階目の臨床試験を2005年に終了。翌年の7月にはアメリカ外科学会の雑誌に研究結果が掲載された。

「日本の、名前も聞いたことがないような小さな病院が30例の臨床試験をやって、データに基づいた論文を出したということで驚かれたようです」

同じころACRIN(American College of Radiology Imaging Network)の資金提供のもと、米国6施設とカナダ1施設と同院の計8施設で600例の登録を目指した、多施設共同国際臨床試験を行うことが決定し、来春には開始の予定。アクリンはブレードを使わない乳がん治療を以前から検討。ラジオ波、凍結、レーザー、マイクロウェーブと超音波の5つの治療のなかから集束超音波を選択したという。

現在、最終段階の臨床試験を実施中

2005年から同院は、第3段階の臨床試験に入っている。集束超音波のてからに外科手術は行わず、放射線治療だけでフォロー刷る最終段階の試験になる。100人を予定して進行中で、2年半で25人になった。

「第2段階は集束超音波のてからに外科手術をしますので、あっという間に臨床試験が終わりましたが、手術でとらないで経過観察刷る第3段階の試験に、患者さんがためらわれるのは当然だと思うんです。でも、こういう試験に参加してくださる患者さんたちは、医師と患者の関係を超えた未来への共同研究者なんです」

対ぞう者は以下のような軽度の乳がん患者になる。

(1)乳がんの進行度が0~1期

(2)腫瘍の大きさが1.5センチ以下

(3)腫瘍から皮膚までの距離が1センチ以上

(4)腫瘍周辺に過去の外科手術の経験がない

(5)術前化学療法を受けていない

ブレードを入れずに住むとあって、東京など県外からもこれまでに7人ほどが参加。同院で治療を受けたてから、3カ月に1回の診察以外は、自宅近くの病院と連携刷ることも可能という。

このよう、自由診療でも治療は受けられる。主な条件は前記の臨床試験と同じしかし、腫瘍の大きさに上限はなく、放射線治療を受けたくない場合や、手術前に化学療法を行った場合でも大丈夫だ。

看護師の発案で患者会の動きも

Aさん(54歳)は、東京からこの治療を受けるため「ブレストピアなんば病院」をおとずれた。

ステージは1で腫瘍の大きさは0.8センチ。集束超音波の照射回数は30回で、治療時間は1時間20分だった。

入院はせず、宮崎駅前のホテルに宿泊。治療にはほけんが利かないので約150万円の費用がかかったが、乳房にまったく傷も変形もなく、しこりのなごりもない。2年後の現在も再発もなく以前と同じ生活を送っている。

「自由診療の方々は、第2段階の人たちと並行してやってきましたので、Aさんのとのことで2年以上唯一の人もいるんです」

马鹿りし、時がたつとともに3カ月ごとの経過観察がだんだん億劫になるという。

「最初はみなさん『3カ月に1回でいいんですか』とおっしゃるのに、2年が近づくと『3カ月に1回行かないとダメですか』っておっしゃるんです。でも、乳房のしこりもなくなったのに、宮崎までですからね、その気持ちもわかります」

体験談を聞く場所がないことが一番の不安――という声から、集束超音波手術チームの看護師の発案で体験者による「患者会」をつくる動きも出ているという。

MRガイド下集束超音波治療で白っぽく見える腫瘍が消失

乳がん治療に外科医が必要なくなるのが夢

欧米じゃ、1980年代前半に乳房温存手術の有効性がもはや証明されていたのに、日本国内で温存手術の件数が全摘手術を上まわったのは2003年になってからだ。

「私たちの先輩が手を抜いたわけじゃないんです。でも、欧米が正したのに対し、遅れたのは事実。その意味においては、日本の外科医がわが国の患者をミスリードしてしまった時期があったことは否めま線」

近年、乳がん検診においてマンモグラフィの重要性が声高に叫ばれている。が、古澤さんはマンモグラフィ一辺倒になる危険性にうっかりてこう指摘刷る。

「欧米じゃマンモグラフィも20年以上前にはじまった検査方法なんです。マンモは脂肪の多い乳房の場合はしこりを見つけ安いんですが、脂肪分の少ないアジア系の人には不向きな点がある特定され。白っぽい石灰化だけは見つけ安いんですが、しこりは発見しづらい。理想的には小さなしこりを見つけ安い超音波と併用すべきです。
宮崎市じゃ、マンモグラフィじゃなく、安価で多くの先生が検診に参加できる超音波を用いていますし、当院の職域検診じゃ平成10年から併用しています」

古澤さんは、こんな夢をもっている。

「集束超音波のような治療の有効性が証明されれば、検査が一番大切になります。小さい段階で見つければ、大きな手術は必要なくなります。私自身は外科医ですので、現在でも手術は行っていますが、乳がん治療に外科医が必要なくなるような時代を迎えることが夢ですね」

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