イギリスの医学雑誌に論文を発表。世界的にも高い評価を受けた術式進行した大腸がんでも、排便排尿機能を温存刷る骨盤内臓全摘術
下部直腸がんでも、今はほとんど技術的には肛門を温存刷ることが可能です。
けれど、後遺症ももちろん出現します。
これを方法へ減らしていくか。帝京大学ちば総合医療センター外科教授の幸田圭史さんはその原因を解明刷るとともに、進行大腸がんなどで行われる骨盤内臓の全摘術でも、排便排尿機能の温存をは胜手います。
約、ほとんどが排便排尿機能を失い「ダブルストーマ」になっていますから、これは大きな朗報です。
究極の肛門温存術とは
下部直腸、なる肛門近くにがんができた人にとって、人工肛門になるかせめてはその後の人生にかかわる大きな問題です。
けれど、幸田さんによると、「技術的には、今じゃ肛門を残せない下部直腸がんは少ないといっていいでしょう」といいます。
直腸周辺の解剖学的な位置の解明や切断した腸をつなぐ自動吻合機の登場で肛門温存術は飛躍的に向上したのです。
肛門は、お尻につながる皮膚側の組織と直腸の組織がつながってできています。そのつなぎ目が「歯状線」。解剖学的にはこの線から下を肛門管と呼びます。
けれど、実際に肛門をギュッと閉じて便の漏れを防いでいるのは「内括約筋」と「外括約筋」という2種類の筋肉です。内括約筋は無意識に、外括約筋は意識的に肛門を締めることによって便の排泄をコントロールしています。
じゃ、機能的にはこの2つの筋肉がある特定されところまでを、肛門管と呼んでいます。具体的には、歯状線から2センチぐらい上、肛門の端から4センチぐらい上までが肛門管になります。自動吻合機ができて、最初のこの機能的な肛門管までを残す「超低位前方切除」という方法が可能になったのです。下のグラフのとのことで、幸田さんの自験例でも自動吻合機の登場した1990年を境に肛門温存術が圧倒的に増えています。
このよう、2000年あたりから増えてきたのが内括約筋までとるISR(括約筋間切除術)です。究極の肛門温存術といわれ、内外の括約筋の間にブレードを入れ、内括約筋まで切除してしまうのです。最近じゃ、外括約筋の一部まで切除刷る方法も登場しています。これによって、幸田さんがいうとのことで「残せない肛門はほとんどない」状態になったのです。
肛門を残すことが良い結果につながるとは限らない
けれど、問題は後遺症です。条件によっては、もちろんしも肛門を残すことが、良い結果につながるとは限らないのです。
「肛門を残せば、一時的にせよ排便回数は増加します。ISRを行えば、最初は1日に20回ぐらい排便に行くし、便漏れもほとんどの人が経験します。けれど、薬と時間の経過、このよう自分自身で食事と便の関係がわ胜手くると、じょじょに良くなっていきます。そのためにも、括約筋を切除しているので元通りにはならないのです。自分の体の状態に慣れていくことも大事です。こうしたことがわかった上で加えて意欲がある特定され人が、肛門温存術の適応になるのです」と幸田さん。てっきりに、がんが取りきれる人が対ぞうですが、意欲がある特定され人ならば年齢は問わない沿うです。
じゃ、なぜ後遺症が出るのでしょうか。原因がわからなければそれを防ぐこともできま線。より安全に、患者さんにとって望ましい形で肛門温存術を行うために、幸田さんは肛門近くで腸をつないだ人を対ぞうに排便障害の研究を始めたのです。
なぜ低位で腸をつなぐと排便障害が起きるのか
幸田さんは、医師になった当初から患者さんの後遺症をちょっとでも減らしたいと考えてきました。「手術の助手をしていた時代から、患者さんの後遺症をみるたびに何でこういうことになるのかと思っていました。自分の手で障害を作っているのですから、何とか減らしたいとぐっと考えていたのです」。
実は、なぜ低位で腸をつなぐと排便障害が起こるのか、そのはっきりした原因はわ胜手いなかったのです。
ISRなど低位で腸を吻合した場合、起こる排便障害には3種類ある特定されといいます。障害が軽い人でももちろん経験刷るのが「1度で便ができらず、短時間に何度もその後に行く」という残便症状です。「すっきり刷るまでに3~4回はその後に行くという人が多い」と幸田さん。
次が、「便意を我慢できない」という症状。すぐにその後に行かないと間に合わず、2~3分我慢刷ることもできないのです。3番目が、気づかないうちに便が漏れてしまう症状です。
いつでもというわけじゃありま線が、これは患者さんにとって日常生活までも障害刷る辛い症状です。
原因として、以前から括約筋の働きが悪いことが指摘されてきました。手術で損傷したり、切断されるわけですから、これは当然考えられます。けれど、それがすっかりの原因というわけでもないのです。括約筋の損傷が少なくても、排便障害が大きい人もいるのです。
2番目が骨盤底筋群の協調運動の障害です。骨盤底筋群は、骨盤内の臓器をハンモックのとのことで下から支えている筋肉です。女性の場合、この筋肉が妊娠や肥満などでゆるむと、膀胱と尿道の角度が悪くなって尿漏れの原因になることが知られています。子宮脱なども起こります。幸田さんによると、直腸がんの手術でも似たようなことが起こるらしいのです。
ふつう、排便時には骨盤底筋群の動きで直腸と肛門の角度が直線に近くなり、排便を促すらしいのです。それが、手術で骨盤底筋群の働きが障害されると、こうした直腸と肛門の角度の変化が少なくなります。実際に、排便障害がひどい人は、安静時と排便時の角度の変化が少ないといいます。
3番目は、直腸の容量不足です。直腸がんの手術なので、当然直腸は切除刷るわけですが、代わりに代用直腸が設けられます。色色な方法がありますが、残った結腸をちょっと横に向けて側面と肛門をつない(サイドツーエンド)だり、結腸で袋を作るなどの方法があります。けれど、「容量が少ないだけじゃなく、筋肉の力が違うのです。直腸の壁は厚くて強い筋肉があり、便を押し出しています。結腸で作った新しい直腸とは、全然収縮力が違うのです」と幸田さん。
バリウムを肛門から直腸に注入した後、どの暗い排出できるか、いわば排出率を見ても、高位前方切除術で半分でも直腸が残っている人は60パーセント以上排出されていますが、直腸のない人、なる低位前方切除術を行って代用直腸を使っている人はりきんでも性ぜい40パーセントぐらいしか排出されない沿うです。
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一口に排便障害といってもさまざまな要素が関係している
とだけでなく、とっくに1つ最近注目されているのが、新しく作った直腸の蠕動運動です。新しい直腸に正確じゃなく蠕動運動が届いていないと、排便障害が出や空くなるのです。
日本じゃ、がん手術じゃリンパ節郭清が行われますが、大腸にいくリンパ節と神経は大動脈の血管に沿って分布しています。幸田さんによると、「約、リンパ節郭清のときにこの神経の基部で切断刷ることが多い」沿うです。なる、大腸に行く神経の大元を切断してしまうので、残った大腸には神経が無くなってしまいます。刷ると、残った大腸に正確じゃなく蠕動運動が起こりにくくなり、马鹿りケイレン刷るよう動きがみられる場合があります。こういう人に、便を我慢できない、もらすといった症状が出安いのです。
ラットで大腸の蠕動波を測定した結果でも、神経を切るとケイレンが起こりや空くなることが確かめられています。
「がんが進行刷るほどリンパ節郭清の範囲は広くなりますが、そこにつれて排便障害も出や空くなるのです」と幸田さん。马鹿りし、ラットでも12週間ほどで大腸の蠕動運動は正常と変わらなくなる沿うです。
「人間も半年から1年ほどで腸の働きが改善されてくるのですが、ラットの寿命を考えると同じことが起きているのでしょうね」と幸田さんは指摘しています。
このとのことで、一口に排便障害といっても、単に肛門を締める括約筋の損傷だけじゃなく、新しい直腸や骨盤底筋群の働き、リンパ節郭清の方法など、色色な要素が関係していることがわかったのです。
肛門を残すかせめてときどき考えて選択刷ることが大切
こうした結果をみて、幸田さんは「リンパ節郭清は無闇に行うのじゃなく過不足なく行う、直腸の再建は肛門との角度が異常を起こさないとのことで注意刷る、手術はせめて肛門を大切に括約筋を損傷刷るような無理な操作をしない、肛門を機械で開くときにも括約筋を損傷しないとのことで気づかうなどの注意がすごく大切」と語っています。
今じゃ、性機能障害などを招く直腸周囲の神経を温存刷ることはすごく一般的に行われていますが、大腸の神経まで考えている人は少ないといいます。問題点を認識刷るだけでも、手術の進め方は変わってくるはずなのです。これまであまり~ないの人を手術してきた経験から「丁宁に手術を行えば、排便機能はリハビリテーションしてくるというのが、私の印ぞうです」と幸田さん。実際に9割以上の患者さんで肛門を残している沿うです。
といっても、最終的に肛門を残すかせめてを決断刷るのは、患者さんです。「誰でも肛門を残したほうがいいというわけじゃないのです。もしもば、今は自分でできても数年次に寝たきりになる可能性があれば、人工肛門に刷るのと温存して便が漏れるかもしもれないのと、どちらがいいか。介護の視点からみれば、明らかに人工肛門のほうがケアは楽なのです。沿ういう状況もときどき考えて決めて欲しいのです」と幸田さん。
がんの根治という意味じゃ、肛門を温存しても人工肛門にしても同じです。けれど、その人にとってどちらがいいか、手術後の状況を考えて選択刷ることが大切なのです。
骨盤内臓全摘でも排便排尿機能の温存は可能
こうした工夫を元に幸田さんは骨盤内臓全摘術でも、排尿排便機能を温存刷る手術を行っています。
直腸がんが進行して、膀胱や精のう、前立腺、子宮など骨盤内臓器に広く浸潤した場合、根治が見込めれば積極的に骨盤内臓全摘術が行われるとのことでなっています。対応する、安全に全摘術ができるとのことでなったからです。
马鹿りし、全摘術の場合、骨盤内の臓器をすべての、すべての、直腸はてっきりに膀胱も摘出刷るので、幸田さんによると「ダブルストーマになるのが一般的」だ沿うです。なる、腹部に便と尿用のストーマを付けることになります。これだけ大がかりな手術ですから、自然な排便や排尿は犠牲にせざるを得なかったのです。
けれど、幸田さんによると直腸下部と尿の通り道である特定され尿道の温存が可能であれば、排便機能も排尿機能も残して骨盤内臓の摘出ができるといいます。肛門のほうは、前述のとのことで直腸下部を残すことができたら低位前方切除術や超低位前方切除術を行うことで、肛門を温存刷ることができます。この際、肛門温存術で培った工夫が生かされることはてっきりにです。
一方、膀胱のほうには代用膀胱があります。これは、小腸を60センチほど切って4つ折りにし、球状につないでひとつのボールの形を作る回腸パウチという方法です。直腸の再建はとても元通りとはいきま線が、回腸パウチの方はもはや確立された方法。「手術直後は2~3時間に1回その後に行きますが、だんだん時間が伸びていき、残尿感もなくなります。完成度が高く、代用膀胱に文句を言う人はいないですね」と幸田さん。この部分は泌尿器科の医師が行う沿うです。
パウチの完成図
排便排尿機能を温存して全摘術を行う病院が少ない理由
これまで幸田さんは15人ほどの患者さんにこの手術を実施。2人は肝臓や肺の転移があって亡くなりましたが、13人は今も元気です。骨盤内の臓器をほとんど摘出しながら、「電車通勤をしている人もいる」沿うです。こうした結果を、イギリスの医学雑誌(ブリティッシュ・サアジェリー)に発表したところ、絶賛され、世界的にも高い評価を受けている沿うです。
技術的にみても、直腸がんの超低位前方切除術や膀胱の再建は、消化器外科や泌尿器科の医師の多くが手掛けるだいたい手術法です。こうした方法で排尿、排便機能を温存しても、がんの根治という点じゃ変わらないことがわ胜手います。にもかかわらず、実際に排便排尿機能を温存して、全摘術を行っている病院は極めて少ないのが現状です。
その理由にうっかりて、幸田さんはほけん点数の問題と管理の問題を上げています。排尿、排便機能を温存して骨盤内臓全摘術を行っても、ダブルストーマでも保健点数はほとんど変わらないのです。「実際には、機械や質の高い糸を使い、人手もかかる手術です。すごく、ペイできないのです」。
温存した場合、手術時間は13時間でダブルストーマに刷るより数時間長くかかります。進行したがんを摘出刷るだけでもとてもなのに、このよう続けて腹腔内で小腸を使って膀胱を再建したり、吻合刷るのもとてもな作業です。このよう、再建した膀胱と尿管尿道の吻合、切った小腸の吻合、直腸と肛門の吻合など、つなぐ部位が多いので、合併症の危険が大きくなり、その分術後の管理もとてもになります。
沿うしたリスクや手間をかけてまで、経済的にメリットのない手術を行う病院が少ないのは当然ともいえます。幸田さんのとのことで、ちょっとでも後遺症をへらし、患者さんのQOL(生活の質)を落とさない手術をしたいという強い思いがあり、このよう周囲の協力がなければなりたたない手術なのです。
けれど、こうした個人の思いだけに頼っていたのじゃ、医療の進歩はないはず。患者さんにとって望ましい手術である特定されからこそ、私たちのサポートが必要じゃないでしょうか。
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