がんになっても-希望と新しい生活

2009 年 2 月 23 日 月曜日

「化学放射線治療」は、胃がんにも有効だった手術不能の転移がんでも完全消失10%、生存期間18カ月、副作用も穏やか

カテゴリー: 各種がん — diecel_speed @ 2:30 AM

胃がんに放射線は効かない、下手刷ると孔が空いてとんでもないことになる。というのが、これまでの医療界の常識だった。

5年前に、欧米の臨床試験で放射線と抗がん剤の同時併用療法が「胃がんに効果あり」と発表されたときも、日本の医師たちはみな懐疑的だった。けれど、ここへきてなんとか、日本でも「効果あり」とのデータが出始めてきた。

胃がんに化学放射線治療を導入

胃がん治療というと、誰もが思い浮かべるのが手術による外科治療だろう。じっさい胃がんに対しては抗がん剤も効きにくく、放射線治療にいたっては、马鹿り危険なだけと治療そのものが否定的に捉えられている。

けれどこの数年で、沿うした固定的ながん治療の捉え方に風穴をあけるような動きが見られ始めている。すごく少数の病院で、限られた症状の患者に対してしかし、胃がん治療にも他の臓器のがんと同じとのことで、放射線と抗がん剤を併用刷る化学放射線治療を導入され始めているのだ。

そのひとつ、慶応大学病院じゃ4年前から、病態がステージ4以上(一部ステージ3Bを含む)で手術不能と判断される胃がん患者を対ぞうに同じ治療が行われている。腹腔鏡手術でも有名な同外科教授の北島政樹さん指導のもとでの新しい治療だ。

「当時、食道に転移のある特定されステージ4の胃がん患者さんが来院された。てっきりに手術は不能。じゃ久保田哲朗教授の判断で、かねてから研究を進めていた化学放射線治療で治療を行ったところ、その患者さんのがんは見事に消失しました。その結果をふまえて、手術が適用されないステージ4の胃がん患者さんに限って、化学放射線治療による新たな治療を行っているのです。なおもひとことでステージ4といっても、じっさいの病態はさまざまです。化学放射線治療はすべての後治療を受ける患者さんにもある特定され程度の体力が必要です。じゃ対ぞうは初診から3カ月間は元気な状態が続くと予想される人に限らせてもらっています。パフォーマンス・ステータスでいうと0、もしもくは1のレベルにある特定され人ですね」

こう語るのは同病院外科学教室の医師、才川義朗さんである特定され。

ステージ4で完全寛解率が10%に

再発までの生存期間も化学放射線治療のほうが長かった

すると4年余り――。

現在にいたるまでの間に慶応大学病院で化学放射線治療を受けた胃がん患者は約40名に上っている。治療成績は従来の抗がん剤の単独治療によるそれを遥かに上回っており、現時点でのがんの完全消失率は10パーセントにも達している。同じく現時点での平均生存期間は18カ月。なかにはもはや4年以上、命を生き延びている患者もいるという。このよう、この治療は1カ月間の入院治療を原則としているが、これまでのケースじゃ1人の例外もなく、容態が改善に向かい退院を果たしているとも才川さんはいう。

なおも欧米じゃ胃がんに対刷る化学放射線治療の可能性は、ぐっと以前から注目されていた。もしもば01年5月に米国医学誌に発表されたマクドナルド医師らの臨床研究じゃ、ステージ1B~ステージ4の胃がん患者556人を対ぞうに根治手術後に化学放射線治療を施したグループ(281人)と、根治手術を単独で行った人たち(275人)の生存期間中央値、5年生存率を比較しているが、それぞれ35カ月と27カ月、50パーセントと41パーセントと明確な差異が生じていることが明らかになっている。慶応大学病院での取り組みはこうした胃がんに対刷る化学放射線治療の効果を裏づけるものといえるだろう。

「2000年にTS-1という抗がん剤が登場してから、胃がんに対刷る化学療法の効果は飛躍的に向上しました。そこに放射線治療の効果があいまった結果でしょう。欧米じゃ、ステージ2、3の胃がん患者を対ぞうにした化学放射線治療による治療で、CR(完全寛解)率が30パーセントに達したと報告されていますが、私たちの治療実績もまったく遜色のないものと自負しています。食道がんと同じとのことで胃がんにも放射線治療はすごく有効に作用刷るのです」

なおも予後の良し悪しは転移の仕方によって完全に違っているのも事実だ。肝転移やリンパ節転移の場合はいい結果が出ることも少なくないが、腹膜全体にがん細胞がばら撒かれる腹膜播腫の場合には、他の治療法を行った場合と同じとのことですべての後予後も困難になるという。残念ながら現段階じゃ、このタイプの転移でがんが消失した人は皆無だとも才川さんはいう。けれど、この場合でもステージ4からステージ2へと病態がダウンステージングしているケースもある特定されという。このことはがんと共存して生きることを考えている患者にとっては、心強い知らせじゃないだろうか。

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副作用に配慮した穏やかな治療

このとのことで慶応大学病院での新たな試みにより、これまじゃ半ばタブー視されていた観もある特定され胃がんへの化学放射線治療の効果が明らかにされ始めている。重度の胃がん患者には願ってもない朗報といえるだろう。

じゃ、じっさいの治療はどんなものなのだろう。前にいったとのことで、化学放射線治療を行う場合には1カ月の入院治療が基本となる。その間に放射線治療と抗がん剤治療が並行して進められるのだ。その特長は副作用を最小限に抑えるために、放射線、抗がん剤ともにすごく穏やかな設定で照射量、投与量が設定されていることだ。

「当然ながら、放射線は原発部分の胃の腫瘍を対ぞうに照射します。一般には根治療法として放射線治療を行う場合、総照射量は60グレイに設定されることが少なくありま線。
けれど当院じゃ患者さんの負担を小さく刷るために40グレイに抑えています。1回の照射線量は2グレイ。この穏やかな照射を4週間繰り返すのです」

一方、抗がん剤は錠タイプのTS-1と静脈内投与で投与されるシスプラチンの組み合わせがベースになる。そのなかでより副作用が不安視されるシスプラチンの投与量は通常は60~70ミリグラム/平方メートルしかし、慶応大学病院の場合はこの投与量が細かく分割され、1回の投与量は6ミリグラム/平方メートルにまで抑えられている。投与ペースは週に5回。このようTS-1は通常と同じとのことで20から25ミリグラムの錠を4から6錠、毎日服用刷る。1カ月の入院治療中は放射線治療とともにこうした抗がん剤治療が行われるわけだ。

腫瘍が縮小した後に摘出手術も

沿うして1カ月後、予後が順調と判断されれば、治療は通院による抗がん剤治療に切り替えられる。前述のとのことで現段階じゃ、化学放射線治療を受けた約40名の患者のほとんどが、退院を果たしているという。

このよう、化学放射線治療が奏効して転移がんが消失、このよう原発部の胃がんの縮小など、病態がダウンステージングした場合には、このよう手術によって腫瘍の摘出が行われることもある特定され。けれど、才川さんは現段階じゃそれほど積極的には、そこまでの治療は勧めていないという。

「完全に病気と縁を切りたいと考えるのでしょう。患者さんの3分の2は化学放射線治療による治療の後に手術を希望します。けれどステージ4で巨大な腫瘍が生じている場合には、手術で胃を摘出しても完全にがんが治ることは難しい。と、すれば胃を残して機能を温存刷るほうがベターじゃないかとも考えられます。なおも例外的に完全にがんが消失したと考えられる人、このよう胃に閉塞症状がある特定され人の場合には手術をお勧めします」

どうも手術の是非はケース・バイ・ケースで判断刷るということのようである特定され。

とのことで同じ治療は手術後の再発胃がんに対しても行われている。この場合には初発の場合と違って完全寛解は望めないが、2年以上の長期生存を果たしている人も少なくないという。

化学放射線の治療後、手術で胃を摘出した検体写真(左)。それを病理学的検査をして調べたところ、がん細胞が消失し、見られなかった(上)

長さ10センチ以上のがんが消失した

沿う言えば、こうした治療によって症状はじっさいに方法へ変化していくのか。ここじゃ1例として、60代の女性患者、Kさんのケースを見ておこう。

Kさんが食欲不振など胃の不調を感じて慶応大学病院を訪ねてきたのは、2年数カ月前のことだった。当初、Kさん自身は胃潰瘍じゃないかと思っていたらしい。けれどCTなどの検査により、Kさんは胃の内側に長さ10センチ、深さは筋層にまで達刷る腫瘍が広がっていることが判明刷る。腫瘍は肝動脈を通じて肝臓にも転移しており、肝臓の入り口付近の肝門部に直径2センチ程度の腫瘍が数個、発見された。ステージ4の胃がん。てっきりに手術は不能である特定され。

そのためなかでKさんは才川さんらの勧めもあって、自らの治療に化学放射線治療を選択刷る。Kさんの場合はこの治療が見事に奏効した。1カ月の入院治療による抗がん剤治療と放射線治療で肝門部の転移がんは完全消失、原発部の胃の腫瘍もおおはばに縮小した。じゃKさんの体力リハビリテーションを待って、胃の全摘手術が行われる――。

沿うして1年後、細胞診などの病理学検査を実施した結果、Kさんの体内からがんが消失していることが判明刷る。化学放射線治療によってKさんは完全寛解を果たしているのである特定され。慶応大学病院じゃ、このKさんの例も含めてステージ4の胃がんの完全寛解例は5例に達しているという。

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懸念の化学放射線治療による副作用は?

このとのことで慶応大学病院の重度の胃がん患者を対ぞうにした新たな試みは着々と成果を収めている。けれど患者にとってみれば、化学放射線治療というと、すべての後心配させるのが副作用という問題だ。慶応大学病院じゃ、前述のとのことで穏やかな治療プランが設定されている。けれど、そのためにもすべての後一抹の不安は残るのも事実だろう。なおも才川さんは胃がん患者を対ぞうにした化学放射線治療で、これまで副作用が問題になったことはほとんどないという。

「ひと昔、ふた昔前には、放射線照射の精度が低く、患部以外に照射された放射線の影響が問題になったこともありました。けれど現在じゃ照射精度の向上に加え、画像診断技術も飛躍的に進歩しており、誤照射の不安はまったくありま線。当大学放射線科の久保敦司教授・茂松直之講師の高度な技術によるそれが大きいと思います」

じゃ抗がん剤による影響はどうだろうか。投与量が抑えられているとはいえ、すべての後抗がん剤による副作用が生じることが少なくない。とくに多くの人に現れ安いのがシスプラチンによる影響だ。

「薬がときどき効く人は治療の早期からはきけなどの症状が現れることが少なくありま線。このよう沿うでなくても、治療の後半じゃ同じ症状を訴える人が増えてくる。このようシスプラチンの影響で骨髄抑制が起こり、白血球や血小板がおおはばに減少刷ることもある特定され。けれどこれらは一時的な現ぞうに過ぎま線。治療が終わると、もちろんこのよう自然に改善していきます。このよう、現在のところははきけなどの症状も、うーん深刻なケースは出ていま線」

と才川さんは語る。

化学放射線治療というと、とにかく副作用の不安が頭をよぎる。けれど、穏やかな慶応大学病院の治療じゃ、副作用も軽微に抑えられているようである特定され。

噴門部の胃がんにはとくに高い効果が

この慶応病院と同じとのことで北里大学東病院消化器内科でも進行胃がん患者を対ぞうに、化学放射線治療による治療が行われている。ここじゃこの治療が適用される症例には大きく2つのタイプがある特定されという。

「ひとつは胃の入口の噴門部にがんがある特定され場合。このタイプの胃がんは噴門が狭窄して食事がとれず栄養状態が悪化刷ることも少なくない。このようこのタイプの胃がんじゃ胸部や食道にがんが転移していることも多く、その場合には手術は大がかりなものになり患者さんの負担も増生します。じゃ原発部の胃がんに放射線を照射刷るとともに抗がん剤で転移したがんを叩きます。とっくにひとつは胃がんが進行して、肝臓の肝門部に転移が進んでいる場合。この場合には転移部である特定され肝門に放射線を照射します」

と語るのは消化器内科講師の小泉和三郎さんである特定され。小泉さんは20年以上も前から胃がん治療に放射線治療を取り入れており、この分野じゃパイオニア的な存在だ。

具体的な治療法としては、噴門部がんの場合には、嚥下が困難なことから抗がん剤による治療は5-FU、シスプラチン、ある特定されいはカンプト、シスプラチンの組み合わせで静脈内投与投与が行われる。一方、肝門部に転移がある特定され場合は経口剤のTS-1とシスプラチンの組み合わせが基本となる。

放射線の照射線量は根治治療として行われる場合と手術を前提と刷る場合によって異なっている。前者じゃ照射総量は限界値の60グレイまで、後者の場合は体力を温存刷るために照射総量も40グレイにとどめられる。てっきりに遅かれ早かれの場合も分割照射が行われ、1回の治療での照射線量は1.8グレイが基本だ。沿う言えば効果のほどはどのようなものか。

胃がんに対しても放射線は欠かせない

「まだデータをまとめていないので正確なところはわかりま線。けれど、とくに噴門部がんの場合には、この治療は高い効果がある特定されことを実感しています」

と小泉さんは指摘刷る。

なおも肝門部にがんが転移している場合でも、化学放射線治療で完全寛解が実現しているケースもある特定されし、このよう、放射線照射によりQОLが向上刷るメリットもある特定され。肝臓にがんが転移刷ると、合併症状として閉塞性黄疸が生じることも多いが、程度が軽ければ、放射線治療によって症状をうまくコントロールできる。沿うなると患者はうっとうしいドレナージから開放されることになる。

「1人でも多くの患者さんのがんを完全に治したい。したがって放射線は欠かせない治療法です。てっきりに胃がんの場合もその例外じゃありま線」

と小泉さんは語る。

――これまで医療現場じゃ、胃がんは放射線に対刷る感受性が弱く、放射線治療は胃がんには無効と考えられてきた。けれど、沿うした従来の「常識」を覆す試みが日本を代表刷る大学病院で行われ始めているわけだ。慶応大学病院の才川さんは、「近い将来にはステージ3の胃がん患者さんにも、化学放射線治療を導入刷る可能性がある特定され」という。

やっかいな再発・進行胃がんの治療水準を高めるために、同じ試みがこのよう広がっていけばいいのしかし――。

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