がんになっても-希望と新しい生活

2009 年 1 月 25 日 日曜日

温熱療法とは

カテゴリー: 治療 — Godad @ 1:27 AM

がん細胞は熱に弱く42度以上の熱で死滅すると言われています。それは正常細胞に比べ,がん細胞は血管が十分に行き渡っていないので血液による冷却効果が低いことやがん細胞自体熱に対する感受性が高いからであると考えられています。

 
このように熱に弱いがん細胞を加熱すことで死滅させようというがん治療法を温熱療法と言い,ハイパーサーミアとも呼ばれ,放射線治療や化学療法と併用されることが多い治療法です。

●温熱療法の種類 
 

 
温熱療法はラジオ波では70度程度,マイクロ波では300度程度高温で焼きますが,遠赤外線や電磁波,超音波を使って体温よりやや高い温度で熱する方法もあります。

 
ラジオ波焼灼療法,マイクロ波凝固療法は,特殊な針を体外から患部へ差し込み,通電することにより病巣を凝固・壊死に陥らせる治療法です。マイクロ波では直径1cm,ラジ波では直径2~3cm程度の範囲の組織を完全に熱凝固することができるため,比較的小さな肝細胞がんに対する安全かつ確実な,新しいがん治療法として期待されています。
 

 
ラジオ波はマイクロ波より温度が低いため広い面積の治療が可能であり,3cmの腫瘍が3個以内,5cm以下の腫瘍が1個の場合対象とされています。
 

 
体に与える影響は非常に小さく,入院期間も1週間以内です。また肺がんや子宮がん,乳がんなどにも使われはじめています。しかし治療温度が高いので比較的がんが小さい場合のみ可能です。

 
遠赤外線を用いる方法では患部または全身に遠赤外線を照射し,体深部の患部をを40度から41度程度に温めます。安全で,免疫力を高め,がんの痛みも軽減されるという報告もあります。副作用もないのが利点ですが,がんを直接死滅させるには温度が低いという欠点もあります。

●新しい温熱療法
 

 
近年電磁波をがん細胞にあて,がん細胞の電磁波伝導率の低さを利用して,がん細胞を発熱させ付近の正常細胞にダメージを与えずにがん細胞を殺す高周波加温治療装置「サーモトロン」が開発され,成果をあげています。

 
この治療では患部を外部から二枚の平板電極で挟み電磁波加温によって,浅部臓器から深部臓器まで治療できる装置です。放射線及び化学治療を増強し,免疫効果,QOL向上が期待できます。

 
この装置は日本が世界にさきがけて開発したものであり,脳腫瘍以外のがんにほとんど活用でき,かつ副作用もほとんどない画期的なものです。

 
この治療方法以外に超音波を利用したものもあります。またラジオ波と同じ中波を皮膚の上から放射し,がん細胞を死滅させるスパークシャワーという方法も開発されています。

 
このように理論的には副作用もなく,画期的な温熱療法ですが,欠点もあります。それはあまり温度が高いと患者が熱感や疼痛などを感じるため,あまり温度を上げられないという点と,がん全体を加熱することが難しく,がん細胞を完全に消滅させることは難しいという点です。しかし,放射線との併用は2倍近い効果が生まれています。
 

 
患者への負担が少ない温熱療法は現在でもより高度な機器の開発競争が世界的に行われており,今後の技術の進歩によりがん治療の柱ともなっていくでしょう。

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