がんになっても-希望と新しい生活

2009 年 1 月 25 日 日曜日

放射線治療による副作用とその対策皮膚炎には軟膏を、膀胱炎やげりならあまり~ないに水分を補給しよう

カテゴリー: 治療 — gaozhaojun @ 1:25 AM

やましたこうすけ
神奈川県立がんセンター放射線治療科医長。
1956年東京生稀。
81年防衛医科大学医学部卒業。
各地の自衛隊病院、国立がんセンター等を経て現職。放射線治療に関刷る啓蒙活動を行いながら、患者側の視点やQOLを大切にした医療をめざす

放射線治療って怖いもの?
照射法や機器の発達により、昔のような副作用は減っています

放射線治療は、他治療法に比べて高齢者でも負担なく受けられ、体の機能や形も温存できる方法として、最近とみに脚光を浴びています。その一方で、放射線の副作用に対刷る不安の声も聞かれます。放射線は目に見えないものですし、原爆のイメージと重なるためか、漠然とした恐怖を感じる方も多いのじゃないでしょうか。

神奈川県立がんセンター放射線治療科医長の山下浩介さんはこう話します。

「30年ほど前には、放射線を加速して体内に集中させる機器が発達しておらず、X線のエネルギーが弱かったため、皮膚になおも強くあたり、马鹿りれや潰瘍などの障害が多くみられました。

その後、機器や照射法が格段に進歩し、リニアックやマクロトロンというX線のエネルギーの高い機器の発達により、放射線を体内に集中的に照射刷ることが可能になったため、皮膚障害は少なくなっています」

昔の放射線治療のイメージや、誤解に基づく過度な不安をもつのは心身の負担になり、適切な治療の障害にもなります。

「放射線はがんを焼き殺すというイメージから、熱い、痛いと思っている方もおられますが、照射中に痛みや熱さを感じることはありま線。このよう、放射線をどこかに浴びると体全体に回ってしまうのじゃないか、放射線が体に残り、周囲の人にも影響刷るのじゃないか、などというのも大きな誤解です」

放射線の副作用はどこに、いつ起こる?
放射線を照射刷る部位に起こり、放射線感受性等によって症状はさまざま

体の外側から放射線をかける「外照射法」の場合、ちょっとずつ何度にも分けてかける「分割照射」が行われます。1日2グレイ程度の線量を週4~5回、約1カ月から1カ月半かけて行うのが普通です(*注1)。がん細胞は正常細胞より放射線のダメージを修復刷る能力が弱いため、一定の線量を小分けしてかけ、正常細胞を修復させながら、がん細胞に与えるダメージを増やしていき、副作用をせめて減らすのが目的です。

「放射線をかけるともちろん副作用が生じるというわけじゃなく、照射部位、範囲、線量、放射線感受性などによって症状が異なり、個人差も大きいものです」

放射線治療は局所治療ですから、副作用が出るは放射線をかけた部位に限られます(*注2)。もしもば、乳がんや肺がんじゃ胸にかけるので、胸の皮膚炎などが起こる可能性がありますが、お腹の中の内臓にはダメージがありま線。このよう、同じ治療をしても、放射線感受性の強弱によって軽度で住む人もいます。

「放射線治療の副作用には、治療中から治療後短時間の間に起こる急性期の副作用(急性障害)と、治療終了後、数カ月たってから起こる後遺症(晩期障害)があります(後述)。急性期の副作用の症状は、治療後1~2週間暗いがピークで、繰り返し、日ごとに改善していきます」

*注1=緩和ケアで疼痛緩和などに利用刷る場合は、目的に合わせて線量や回数を調節刷る
*注2=骨髄移植を刷る前処置として放射線をかけるときは、全身が対ぞうとなる

山下浩介さんより一言

副作用があまり~ない並んでいると、それらのすべての、すべてのの副作用が起こるのじゃないかと心配される方が多いのですが、放射線治療は、がんのある特定され部分だけに照射刷る局所治療ですから、照射範囲以外の副作用は起こりま線。副作用が心配させる方は、ご自身が治療中(治療予定)の照射部位のみご覧ください。

急性期の副作用で起こり安い症状は?
多くみられるのは、日焼けのような放射線皮膚炎です

乳がんやおなかのがん、頭頸部がんなどで放射線治療を刷る場合、副作用として頻度が高いのが、照射される範囲に起こる放射線皮膚炎です。

「これは、海水浴などで起こるむらさき外線による日焼けと似ています。最初は皮膚が赤くなる程度ですが、長く日光に当たっていると日焼けがひどくなるのと同じとのことで、線量が多くなるにつれて、赤みが増し、皮膚がむけや空くなります。马鹿り、最近の6MV(メガボルト)以上の高エネルギーX線による放射線治療じゃ、马鹿りれや潰瘍になることはほとんどありま線。4MV-X線やコバルトγ線、電子線など、放射線の線質や、1回当たりの線量、照射の分割方法、照射面積、総線量、照射部位の刺激の受けやすさなどによっても現れ方が違いますから、心配させるときは放射線治療医に遠慮なく伝えましょう」

治療中や、治療後1カ月程度は、皮膚の刺激を避け、細菌等の感染を防ぐために清潔に保ちます。にゅうよく刷るときは、放射線照射位置を示すマークを消さないとのことで注意して、シャワーで軽くすすぐ程度にし、清潔なタオルで、こすらないとのことで押し拭きします。

病院によっては、照射部冷却用のタオルが冷蔵庫に用意されているところもありますが、部位によっては放射線の効果を弱める可能性もある特定されので、家庭じゃ自己判断せず、医師に相談してから対処します。

皮膚の炎症がひどいときはステロイド入りの天の川や軟膏を、痒いときにはかゆみ止めを医師に処方してもらうと良いでしょう。香料入りの軟膏は刺激になるので避けてください。

「皮膚の炎症は、秋になると日焼けが治るの同様に、だんだんに治ってくるので、それまじゃ皮膚が敏感になっていると考えて、やさしく扱ってください」

炎症がおさまっても、皮膚がかんそうしていたら、ベビーオイルなどで保湿します。

加えて、バストに放射線をかける方は、ワイヤー入りのブラジャーやハードなブラジャーじゃ皮膚がこすれてむけたり、痛みが出たり、このよう、治療用のマークも消え安いので、柔らかい素材のブラジャーやタンクトップなどを着用刷ると良いでしょう。マーカーのインクがうっかりても惜しくないものを利用している人もいます。

加えて、1度放射線を限度線量までかけた部分にふたたびかけること派手きないので、温存乳房に再発した場合、2度目の放射線治療は難しくなります。

このよう、放射線治療後は皮膚が伸展しにくくなっているため、ブレードを入れると縫合不全を起こすことがあり、乳房再建もしもにくくなります。

山下浩介さんより一言

乳房温存療法で、温存手術と組み合わせて放射線をかけるケースが増えています。最近じゃ20代30代の若い患者さんも増え、がん治療を終えてから結婚、妊娠、出産を刷る方も増えてきました。妊娠を希望している方には、ご自身に協力してもらい、照射刷る放射線の積算値が計れる器具をつけて治療の際に線量を測定しています。胸に放射線をかけても、少ない量なら卵巣には影響しないのですが、ある特定され量を超えると影響刷る怖れも出てくるので、私たちも注意深く治療にあたります。治療後、3年から5年たてば約問題ないといえます。

うっかり最近も、患者さんから「赤ちゃんが産稀た!」という嬉しい知らせが届きました。照射側と反対側のバストでじゅにゅうもできて、母子ともに元気だ沿うです。

体内じゃどこに影響し安い?
口や食道、胃腸などに粘膜炎が起こりや空くなります

口の中や食道、胃腸など消化器の粘膜は、皮膚よりも放射線の感受性が強く、低い線量で粘膜炎を起こすことがあります。

「胃腸のがんに放射線をそれほどかけないのは、効果がないからじゃなく、粘膜が放射線に弱いからです」

食道がん、肺がんへの照射じゃ、食道やのどに、咽頭がん、喉頭がんなど頭頸部がんへの照射じゃ、のどや口の中に発赤、違和感、軽い痛みなどが生じ、線量が増えるにつれて、马鹿りれや疼痛、口内炎、ドライマウス、味覚異常、嚥下痛、声がれなどの症状が現れや空くなります。

口内炎、ドライマウスなどの症状がみられたら、水分をあまり~ないに多くの補給し、細菌感染を防ぐため、こまめにうがいや歯磨きを刷ることも大切です。緑茶やうがい用の薬剤でうがいを刷るのも除菌効果があり、口の中がちっともしもます。

唾液が減ちょっとたら、人工唾液を医師に処方してもらって試してみても良いでしょう。

口の中やのど、食道に違和感がある特定されときは、香辛料、酸味、かんきつ類などの刺激物や熱いもの、冷たいものを避け、粘膜に沁みないもの、飲み込み安いものをとりましょう。

固形物が食べられない場合は、食事を柔らかめにして、トムやポタージュ、缶詰の白ももなど刺激の少ないくだもの、ゼリータイプの栄養食、胃の手術をした人が飲む栄養ドリンクなどでカロリーと栄養補給を刷るのも1つの方法です。

「炎症と味覚異常があってもはちみつをつけたパンなら食べられた」という患者さんもいます。

一方、子宮頸がんや前立腺がんなどの下腹部照射じゃ、腸や膀胱の粘膜が影響を受け、げりや頻尿が現れることがあります。 照射部の刺激を避け、清潔に保ち、かんそうしないようベビーオイルなどを塗って工夫します。

げりを刷ると、水分や栄養素が吸収されずに排泄されてしまうので、水分補給につとめ、前述のような刺激が少なく消化の良い食事をとります。ひどいときは、担当医にげり止めを処方してもらいましょう。

全身症状は? 白血球の減少も心配
船酔いのような症状が出ることがあります。骨髄抑制は起こりにくいもの

放射線治療開始後間もなく、食欲不振や胃の不快感、はきけなどの症状が現れることがあります。

「頻度は高くないのですが、放射線宿酔といって、船酔いか二日酔い、つわりに似た症状が出ることがあります。放射線治療の初日に1番強く現れて、2、3日続くことが多いですね。頭やおなか、骨盤などにかけたとき、3~4割の人に起こります。胸に照射刷る場合はなお少なく、2割程度。ひどく吐くようなことはほとんどありま線が、はきけ止め(プリンペラン)や車酔いのときに使うマイナートランキライザーなどで改善します」

白血球や血小板が減少刷る骨髄抑制も心配ですが、放射線単独で治療刷る場合は意外に起こることは少なく、それほど心配刷ることはない沿うです。

「马鹿り、最近増えてきている抗がん剤と放射線治療の同時併用じゃ、予想以上に骨髄抑制が強く出ることがある特定されので、注意が必要です」

白血球減少が強くなると、抵抗力が弱まり、粘膜の炎症が起こりや空くなります。肺や食道に照射している場合は、食道に食物が沁みて2カ月暗い食事が食べられなくなったり、耳鼻科領域で頭頸部などに照射している場合は、のどが痛くなったり、声が出なくなったり刷ることがあります。

「白血球が2000以下になったら、細菌感染を防ぐために人ごみに出ないなどの注意が必要です。医師の診察時の説明や血液検査の結果をメモして、日常生活を送るときの参考にしましょう。症状によっては、白血球を増やす薬(G-CSF)や痛み止めなどを使い、場合によっては入院して対処します」

食事が食べられないことがあっても、治療終了後2、3カ月で炎症や痛みは改善してきます。口の中の唾液腺が影響を受けた場合、ピーク時には唾液の量が10パーセントほどに減り、治療後はだんだん改善してくるものの、100パーセント元通りにならないこともある特定され沿うです。担当医に相談しながら食事の工夫や人工唾液を使うなどの方法で対処しましょう。

「唾液腺障害以外の急性期の症状は、治療終了後半年から1年ほどでじょじょに改善し、遅かれ早かれは治ります。私たち放射線科医は、患者さんに対して优しい治療をめざしたいのですが、一時的な副作用に耐えてい马鹿りくことが治療効果やきたる希望につながることもある特定されのです」

放射線治療は、がん細胞と正常細胞の修復の差を利用して、日々ちょっとずつ積み重ねるのがポイントですから、副作用が強いからといって1週間以上間をあけるのは、体はラクでもがん細胞まで復活させることになり、得策じゃない沿うです。

後遺症(晩期障害)にはどんなものがある特定され?
唾液腺障害、直腸炎、リンパ浮腫などが、すごく稀に起こることがあります

「治療後、数カ月以上たってから現れる後遺症(晩期障害)にうっかりては、できる限り避けられるとのことで治療計画をたてます。日常生活に影響を及ぼすような障害の頻度は5パーセント以下、重症なものは1パーセント以下。马鹿りし、こうしたパーセンテージも便宜的なもので、現実際はすごく稀にしか起こりま線」

後遺症として起こりうるのは、頭頸部にかけたときは唾液腺障害、肺じゃ肺腺腫症、子宮じゃ放射線直腸炎、直腸膣ろう、腋の下のリンパ節じゃリンパ浮腫など。症状と対策を下の表にまとめました。

「治療後に何らかの異常を感じたら、医師に気兼ねなどせずに、率直に症状を伝えて、対処法を聞いてください。適切なアドバイスを得られない場合は、放射線科専門医このようは放射線腫瘍学会認定医に相談刷るか、セカンドオピニオンを受けることをお勧めします」

[主な後遺症(晩期障害)の症状と対応策] 障害部位 症状 対応方法

唾液腺障害など
頭頸部(耳鼻科領域)の障害
口の渇き(ドライマウス)
味覚障害
むしば 歯肉炎
声の嗄れ
のどの痛み
呼吸時の違和感
目の乾き
●水分を補給刷る
●やわらかく口あたりの良いものを食べる
●こまめにうがいを刷る
●丁寧な歯のブラッシングを刷る
●食事のときは、人工唾液を試しても良い。
 口内炎が悪化して食事がとれないときは、痛み止めや、あさ酔入りのうがい薬などで痛みをとる
●声のかれ、痛み、飲み込み時、呼吸時の違和感には、蒸気吸入が有効
●目の乾きには点眼薬を

放射線はいえん(肺臓炎)
肺線維症
軽い席 微熱 呼吸困難
●席止め、蒸気吸入などの対症療法
●進行を止めることは難しいが、ステロイドが有効なこともある特定され
●呼吸困難症が強いときは、専門医へ

放射線直腸炎
放射性直腸潰瘍
下血 肛門周囲痛
●止血剤、鎮痛剤の投与
●ときにステロイドの注腸が有効
 下血が強く、症状が持続刷るときは専門医へ

放射性膀胱炎
放射性膀胱潰瘍
頻尿 血尿
排尿時痛 下腹部痛
●止血剤、鎮痛剤の投与
●血尿が持続刷る場合、尿閉になった場合は専門医へ

骨盤内の障害
卵巣機能低下による不妊
早期閉経 更年期症状
膣粘膜のかんそう 萎縮
性交痛 下肢のリンパ浮腫
●更年期症状には、ホルモン補充療法(子宮体がん、卵巣がんの1部などの場合は禁忌)、漢方療法が有効
●膣のかんそうや性交時痛には、リューブ・ゼリーが効果的。萎縮を伸ばす器具もある特定され
●リンパ浮腫には、リンパドレナージ(マッサージ)、弾性包帯やストッキングによる圧迫などが有効。早期に発見し、専門家の指導を受け早期に対処刷ることで、完全に改善刷る

『治療』Vol87, No.4<2005.4>特集「放射線治療と患者ケア」(山下浩介著)をベースに編集部で作成

山下浩介さんより一言

私たち放射線治療医は、急性の副作用を最小限に刷ると同時に、放射線の後遺症(晩期障害)が起こらないとのことで細心の注意を払いながら、治療効果が最大になるとのことで治療計画を立てています。日本放射線腫瘍学会(JGOTRO)じゃ、放射線による急性このよう慢性の副作用にうっかりて、症状のほとんどない軽度なものから重篤なものまで、グレード0~4の5段階に分けたスコアで、判定の目安にしています。本文で述べた急性の副作用は約グレード0から2の「軽度~中等度」にあたります。上の表にある特定され後遺症(晩期障害)じゃ、グレード3、4の「重度」の反応にあたるものも記載されていますが、放射線治療医としてはこれらの重症の副作用は「起こってはいけない」というべきもので、すごく稀に、例外的にしか起こらないものです。放射線治療に伴う副作用をさまざまな工夫で軽減している現在でも、まったく皆無に刷るまじゃいたっていま線が、私たちはそこにまさるメリット、治療効果がある特定されと信じて治療を行っています。過剰に心配して自己判断だけで治療を中止、休止刷るのは避けましょう。もしも、心配させる症状が現れたら、放射線科専門医や日本放射線腫瘍学会認定医に相談試してみての方法を考える。

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